日本政策金融公庫は25日、国民生活事業である2013年度上半期の介護・福祉事業向け融資実績が前年同期比15.0%増の2,389件、同12.9%増の218億円になったと発表した。上半期としては5期連続の増加。5年前と比較すると、件数では約2.4倍、金額では約3.2倍となる。
介護・福祉事業は、老人福祉・介護事業(その他の社会保険・社会福祉・介護事業を含む)、児童福祉事業、障害者福祉事業を指す。
業種別に見ると、老人福祉・介護事業は、件数が前年同期比15.1%増の2,078件、金額が同13.1%増の197億6,700万円。児童福祉事業は、件数が同3.8%増の164件、金額が同0.5%増の11億4,500万円。障害者福祉事業は、件数が同30.1%増の147件、金額が同27.7%増の9億5,600万円。いずれの業種においても、件数・金額ともに前年同期を上回った。
融資時の業種別構成比は、老人福祉・介護事業が87.0%、児童福祉事業が6.9%、障害者福祉事業が6.2%。介護保険サービスの受給者増加による介護市場の拡大に伴い、新規事業者が増加し、全体の約9割を老人福祉・介護事業が占めることとなった。
介護・福祉事業向けのうち、創業融資(創業前および創業後5年以内の企業への融資)実績は、件数が前年同期比13.9%増の1,313件、金額が同22.3%増の88億9,000万円となり、ともに前年より増加した。
融資件数構成比で見ると、介護・福祉事業向け融資における創業融資の割合は55.0%と過半数を占めたのに対し、事業資金融資全体(全業種)における創業融資の割合は21.0%だった。この結果から、介護・福祉事業向けの融資先は業歴の浅い企業が多いことが明らかになった。
日本公庫は、政府の「日本再興戦略」においても、介護・福祉事業は成長分野として位置付けられているとし、「国の施策に基づく政府金融機関として、地域・社会の抱える課題を解決し、安定的かつ継続的な雇用を創出する介護・福祉関連分野の事業を営む皆様を積極的に支援していきます」としている。