東京ビッグサイトで12月1日まで開催中の「第43回東京モーターショー2013」。BMWブースでは、「世界で最も先進的なスポーツカー」を実現した「i8」をはじめ、話題のモデルを多数公開している。「i8」のデザインの革新性に注目しつつ、ブースの様子を紹介しよう。
まるでSF映画の乗り物!? 未来のスーパースポーツカー「i8」
BMWブースでひときわ多くのギャラリーを集めていたのが、中央ステージに展示されたプレミアムスポーツカー「i8」だった。
SF映画から飛び出してきたような未来的なフォルムをひと目見ただけで、「世界で最も先進的なスポーツカー」であることが伝わってくる。一瞬にして目を奪われるのは、前方へとポップアップするシザー・ドア。流れるように下降するルーフラインとCピラーが一体となって描くシルエットには、空力的に洗練された最先端の機能美が見て取れた。
「i8」の革新性は、高性能スポーツカーのパフォーマンスとコンパクトカー並みの燃費性能を、次世代技術で両立させている点にもある。専用のプラグイン・ハイブリッド・システムを採用し、モーターとツインパワー・ターボ・エンジンが途切れることなくシンクロナイズして、システム・トータルで266kW(362PS)の最高出力を発生。0-100km/h加速わずか4.4秒という実力を発揮する一方、EUテスト・モードでの測定では100kmの走行にたった2.5リットルの燃料しか消費しない低燃費も実現しているという。
このスポーツ性能と環境性能の両面に貢献しているのが、カーボン・ファイバー強化樹脂(CFRP)製のパッセンジャー・セルなど、新しい車両構造を採用したことによる大幅な軽量化だろう。デザインに、テクノロジーに、先進性も凝縮された「i8」は、2014年中にも日本へ導入される予定だ。
正常進化の中に先進性が光る新世代クーペやSAVも
BMWブースで「i8」と並んで展示されているのが、「i8」と同じ次世代モビリティブランド「BMW i」の「i3」。BMW初の電気モーターで走る量産車で、U字型のLEDヘッドライトに観音開きのドアと、遊び心にあふれたユニークなデザインのシティ・ビークルだ。実車を前に、知的で若いユーザーの関心を集めそうだな、という感想を抱いた。
また、世界初公開となったオープンモデル「4シリーズ カブリオレ」や、高性能スポーツ車「コンセプト M4 クーペ」を見て、BMWのデザインはつねに革新的であると再確認した。「4シリーズ カブリオレ」は「3シリーズ カブリオレ」、「コンセプト M4 クーペ」は「M3 クーペ」の後継モデルとして、それぞれ新時代を開くであろうこの2台は、「i8」「i3」のような突出したスタイリングとも異なり、正常進化の中に先進性が光る。
ともに優美さと力強さを兼ねたルックスで、これまでの世代のDNAを確かに受け継ぎながらも、新鮮味にあふれていると感じた。
フルモデルチェンジで第3世代となったスポーツ・アクティビティ・ビークル「X5」。パワフルなデザインだ |
BMWモトラッド90周年を記念したモーターサイクル「R nine T」。クラシックなスタイルが目新しく映る |
キャラクターの異なる2台のレジャービークルもギャラリーの注目を集めた。1台はフルモデルチェンジしたスポーツ・アクティビティ・ビークル「X5」。パワフルでダイナミックなデザインは、威圧感さえ覚えるほどだ。もう1台はコンパクトなFFのプラグ・イン・ハイブリッド車「コンセプト アクティブ ツアラー アウトドア」。コンセプトカラーのゴールド・レース・オレンジが、活発、行動的、陽気といったモデルの印象を浮かび上がらせる。
その隣には、アジア初公開のモーターサイクル「R nine T」も展示されていた。これは、BMWの名を冠した初のモデル「R32」のデビューとともに、BMWモトラッドの誕生から90周年を迎えたことを記念して発表されたもの。そのクラシックなデザインに、BMWの「革新の原点」への思いが感じられた。
今回の東京モーターショーでのBMWブースは、あらゆるカテゴリーにおいて、多彩で、そして先進的な提案がなされていた。ぜひ会場にて、「i8」をはじめとする各モデルの革新性・先進性を実感してみてほしい。