AppleのiPhone 5s+iOS 7を皮切りに、モバイルOSの世界にも間もなく64ビット時代が到来しようとしている。米Intelは来年2014年第1四半期にもBay Trailプラットフォーム向けに64ビット対応したAndroid OSを搭載したタブレット製品が登場することを予告しているほか、ARM版Androidにおいても64ビット対応が示唆されており、主要モバイルOSがハイエンド製品を中心に64ビット対応へとなだれ込む様相となっている。
これは11月21日(現地時間)に米カリフォルニア州サンタクララにある米Intel本社で実施されたIntel Investor Meetingにおいて、同社CEOのBrian Krzanich氏が明言したもの。PCWorldなどが報じている。それによれば、64ビット対応したAndroid OSを搭載したBay Trailタブレットを150ドル以上の価格で同時期にも提供を開始していくという。また同社は現在Android 4.4 KitKatのx86プロセッサへのポーティング作業を行っており、こちらの成果も間もなく登場するとみられる。
Bay TrailはSilvermontアーキテクチャを採用したAtomコアを中心としたプラットフォームで、ハードウェア的にはすでに64ビットに対応している。一方でAndroid OSはいまだARM版とx86版ともに32ビット動作を前提としており、ハードウェア本来の能力を活かすためには64ビット対応が必須となる。Androidへのx86へのポーティングは、Googleに対してIntelが全面的に支援しており、この成果が間もなく64ビット対応においても実現することを、Krzanich氏の発言は意味している。一方で、いまだARM版Androidデバイスに搭載されているプロセッサは32ビットに限定されているが、The InquirerによればSamsungが2014年にもARMv8の64ビットアーキテクチャを採用したExynos 6をリリースする予定であり、これに前後してARM版Androidにおいても64ビット対応が行われる可能性が高いと思われる。AppleはiPhone 5s+iOS 7の組み合わせで64ビット対応をすでに行っており、来年2014年には主要モバイルOSプラットフォームで一気に64ビット対応が進むことになる。
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