シャープは11月21日、東京・表参道の文房具カフェにて、電子ノートの新モデル「WG-S20」の記者向け説明会を実施し、同製品の魅力を紹介した。

電子ノートの新モデル「WG-S20」。12月6日発売予定で、想定価格は1万7,000円前後

会場となった文房具カフェは、「文房具メーカーと利用者のハブになりたい」という想いで作られたユニークなカフェ。飲食できる各テーブルには鍵のかかった引き出しがついており、引き出しの中には店員おすすめの文房具が入っている。同店のオフィシャル会員になると引き出しの合鍵がもらえる仕組みで、現時点で3,000名以上の会員がいる。

文房具カフェ。オフィシャル会員になると、おすすめ文房具が入ったテーブルの合鍵と会員証がもらえる。文房具は定期的に入れ替わる。入会金は700円

文房具カフェ代表の奥泉徹氏

シャープがこのような会場で電子ノートの説明会を行うのは初で、前モデルが同店の引き出しで紹介されていたのを機に、今回の開催に至ったという。説明会では製品説明に先立ち、文房具カフェ代表の奥泉徹氏が登壇。「文房具に面白い変化が起きている」と文房具業界の変化を語りつつ、デジタル文具である電子ノートの魅力を語った。

同氏は「iPhoneなどのデジタルジェットは多機能だがインタフェースはシンプルなものが好まれている。その一方、文房具は単機能でシンプルなものが求められている」と説明し、電子ノートはデジタルガジェットでありながら「文房具に似ている」と紹介した。また、同氏はアナログ文具の代表格であるシャープペンシル(エバー・レディー・シャープペンシル)を発明したのがシャープであることを引き合いに出して、「シャープが、デジタル文具である電子ノートを作ることにストーリー性を感じた」と語った。このシャープペンシルは社名の由来でもある。

シャープの社名の由来となった「エバー・レディー・シャープペンシル」

シャープの西宮健司氏

続いて登壇したシャープの西宮健司氏は、近年の手帳・ノート市場の規模が拡大していることを紹介。「紙の良さが見直されている」とし、スマートフォンなどのモバイル端末の普及がすすんでいるにも関わらず、スケジュール管理ツールではアナログとデジタルの併用が増加していると説明した。

こうした市場動向をふまえつつ、同氏はデジタルガジェットと文房具の間に位置する「電子ノートを文房具の仲間に入れて欲しい」と同製品の魅力を語った。

同製品の最大の特徴は「スケジュール機能」。新たに追加されたスケジュール機能では、用途に合わせたスケジュール帳を作成し、紙のスケジュール帳のように手書きできる。手帳は開始日と終了日を指定して作成可能で、スケジュール帳のリフィルは、1日1ページ、週間1ページなどの5種類9パターンが用意される。

スマートフォンなどの普及がすすんでいるにも関わらず、ノート・手帳市場は伸びている

電子ノート「WG-S20」では新たにスケジュール機能を追加。1端末で最大9冊のスケジュール帳を管理できるようになった

手帳は最大9冊のスケジュール帳を同時に管理可能で、これはアナログ手帳の約4年分にあたるという。シャープの西宮健司氏は「アナログ手帳利用者の8割以上が過去の手帳を保管している」と調査データを発表し、複数年の手帳を1端末で管理できる同製品の魅力をアピールした。また、2冊を同時に利用することもできるため、ビジネス用とプライベート用、自分用と家庭用など常時2冊の手帳を利用しているユーザーにもおすすめだという。

4年間分の手帳をひとつの端末で管理できる。またスケジュール帳をPCやスマートフォンに転送し、JPG/bitmapデータとして保存できる

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