富国生命保険は21日、国・地方公共団体等が差し押さえた保険契約に対する支払請求手続において、本来開示する必要のない顧客情報を国・地方公共団体等の差押債権者などに開示していたことが判明したと発表した。
顧客情報の管理については、従来より社内で徹底を図ってきたが、このたびの件で顧客および関係者に心配、迷惑をかけたことをお詫びするとしている。
なお、現在のところ、同件に関する顧客情報が不正に利用された事実は確認されていないという。
顧客情報の内容
- 保険契約の差押債権者・質権者による支払請求手続(差押債権者・質権者による解約、満期保険金、年金、および生存給付金の支払請求手続)において、本来開示する必要のない合計4438名分(名寄せ後4261名)の顧客情報を開示
該当する顧客への対応
- 対象となる顧客に対しては、本件発生のお詫びおよび問合わせ先を記載した文書を既に送付
発生原因と再発防止策
同社においては、顧客の支払請求手続を簡便にするため、顧客の氏名・住所・電話番号および契約内容の情報などを手続書類などにあらかじめ印字している。このたびの件は、差押債権者・質権者からの請求の際にも顧客宛の手続書類を使用することにより、本来開示する必要のない顧客情報まで開示されてしまうことを十分に認識していなかったため発生した
このたびの事態を受け差押債権者・質権者に渡す帳票は全て点検しており、開示不要な情報は今後開示しないように事務手続等を改正した。また、今後、差押えなどにおいて、新規に帳票を作成する際には差押債権者・質権者へ開示すべき項目を検証したうえで帳票を作成するとともに、不必要な項目の記載のないことを確認することにしている。
同社は、従来から顧客情報の管理については厳重な取扱いを徹底していたが、同件の発生を重く受け止め、顧客情報についてさらに厳正な取扱いにつとめていくとしている。