映画監督などで知られる岩井俊二氏が、初めて連続ドラマの企画プロデュースと脚本を担当したことが21日、明らかになった。

初めてドラマを手掛ける岩井俊二氏

岩井氏が手掛けたのは、2014年1月10日スタートのテレビ東京系ドラマ『なぞの転校生』(毎週金曜0:12~0:52)。1972年に発表され、その後、NHKの「少年ドラマシリーズ」で映像化されたSFジュブナイルの傑作『なぞの転校生』(著:眉村卓 / 講談社「青い鳥文庫」「講談社文庫」)を原作に、俳優・中村蒼と本郷奏多、全国オーディションで「キットカット受験生応援キャラクター」に選ばれたばかりの桜井美南が主演を務める。

『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』など、映像美と音楽センスで国内外から高い評価を得ている映画監督・岩井俊二。彼が連続ドラマに関わるのは今回が初めてのこと。岩井氏は「書いても書いても終わらない苦しみを味わった」と吐露しつつも、「今なお色あせない不朽の名作に挑戦できた」と振り返り、「遠く及ぶものではないことは最初からわかっていながらも、至福の数カ月だった」と語る。

東西山高校2年の岩田広一(中村蒼)と香川みどり(桜井美南)はある日の下校途中、空に上がっていく流れ星を発見する。翌日、みどりは学校で光る人影を目撃し、校内は幽霊話一色。そんな中、突然、山沢典夫(本郷奏多)という少年が現れる。典夫は隣に住む江原の孫と主張するが、典夫が現れると同時にその周囲で不思議な出来事が頻発しはじめる。ドラマでは、典夫がこの世界に来た目的が次第に明らかになっていく。

岩井氏が手掛けるドラマに出演することについて、中村は「岩井さんの世界観に自分が入れるのはうれしく、さらに僕の色も出して良い化学反応を起こせればと思っています」と語る。一方の本郷は「この物語と、各スタッフ、キャストの表現力が高い次元で融合することができれば、絶対的な最高傑作になる」と確信し、初のドラマ主演に挑む桜井は「岩井俊二監督の作品の世界が大好きで、その中の登場人物のひとりになれるのかと思うと、すごくわくわくします」と心境を語っていた。

ドラマ『なぞの転校生』で主演を務める中村蒼(中央)、本郷奏多(左)、桜井美南 (C)眉村卓・講談社/「なぞの転校生」製作委員会