誰もが一度は撮ってみたい天体写真。でも、どうすれば撮れるの?場所は?設定は?本格的な機材が必要なの?……と、初心者にはわからないことだらけ。でも、実はキヤノンの「PowerShot S120」と三脚があれば、誰にでも美しい天体写真が撮れるのだ。
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いよいよ、星空がキレイに見える季節の到来だ。しかも今年は、話題のアイソン彗星が今ちょうど観測域に入っており、12月には恒例のふたご座流星群、こぐま座流星群も控えている。それらが撮影できるかどうかは別としても、家族や友達と一緒に都会を少しだけ離れて、しばし宇宙の神秘に見入る、そんな小さなイベントもいいじゃないか。私は暗闇の中、深夜にひとりぼっちで撮影をしたけれど……。そして、その成果がこれだ。
SLの背景に流れる星々。イメージはまさに銀河鉄道だ! 撮影した方角は南東。画面右端、等間隔に並んだ3本の線はオリオン座のベルト。右下に流れるひときわ明るい星は、おおいぬ座のシリウス。画面中央やや左上の明るい三本線は、上からふたご座のカストル、ポルックス、そして木星だ(原寸大画像を見る) |
ちなみに、これが撮影風景。超高感度撮影なので明るく見えるが、肉眼では真っ暗 |
PowerShot S120には「星空」というモードがあり、「星空夜景」「星空軌跡」「星空インターバル動画」の3スタイルの天体撮影が行える。中でも、オススメは圧倒的に星空軌跡だ。レンズを星空に向け、記録時間をセットしてシャッターを押すと、カメラが自動的にインターバル撮影を開始。撮影した画像を合成して、星が移動軌跡を描いた写真にしてくれるのである。記録時間は、10分から1時間30分の間で10分刻みにセット可能。当然、長時間にセットするほど軌跡は長くなる。子供の頃、理科の教科書や百科事典で見た"あの写真"が簡単に撮れてしまうのだ。
いや、簡単と書いてしまうと、少々語弊があるかもしれない。確かに、撮影操作は至極簡単だ。だが、それ以外の要素が一筋縄ではいかない。最大の障害は、なんといっても天候。私の場合、来る日も来る日も曇り空で、上の写真を撮るのに2週間待った。その間、何度かチャレンジしたものの、途中で雲が出てしまい断念。そのたびに、雲の少ない晩を狙って出直した。