ベストチームオブザイヤー実行委員会は、ビジネス・スポーツなどの各業界において最も顕著な業績を残したチームを表彰する「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」を開催。2013年の最優秀賞には、「2020年東京オリンピック・パラリンピック招致チーム」が選ばれた。
実は約2年間、準備を重ねていた
同チームは2011年の9月7日に発足、それから2年もの間いろいろな準備を積み重ねて開催地決定に至った。東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会 副理事長 兼 専務理事 水野正人さんは「それまで積んできたことをみんな信じているので、どしんと構えた」と語った。「目標をしっかり持つこと、そして相談をしっかりみんな理解すること」が基本になり「目標はこれだ、このためにしっかりやってるんだから、細かいことはどうでもええ!」という気持ちでやってきたという。
IOCのプレゼンテーションにおいてトップバッターを勤めた、パラリンピック選手(女子陸上)佐藤真海さんは、「最後の1週間現地で練習したんですが、最初に会場で練習したときは本当に足ががくがくして、とても緊張しました。前日も先生についてもらって2時間しっかりリハーサルして、あとはすっきり本番を迎えることができました」と、プレゼン前の緊張について語った。
佐藤さんのスピーチは4分間だが、日本の時間は45分間。世界中が注目するプレゼンテーションにおいて「個人の出番だけでなく、トータル45分が自分のプレゼンテーションだ」という気持ちで、全員が向かっていたそうだ。
「お・も・て・な・し」に込められた思い
「お・も・て・な・し」が流行語大賞にもノミネートされたフリーアナウンサー 滝川クリステルさんは、プレゼンで披露したつまむような手の形について説明した。「あれは、海外で強調するときとか、特にフランスの方はプレゼンで使うことが多いんですよ。"おもてなし"は、一文字一文字を強調して、確実で強い、かつソフトという意味を込めました」と滝川さん。「ちゃんと言葉を海外のみなさんに伝える、ゆっくり耳に残してもらいたい」という気持ちから、自然と「お・も・て・な・し」と区切った言い方ができたそうだ。
また、「お・も・て・な・し」から最後に手を開く動きも、滝川さんが自然とやったオリジナルの動作だそう。解き放つ気持ちがナチュラルに出てきたという。合掌についてはプロの提案だが、日本だけでなく「アジア」の意味をこめ、日本もアジアのひとつであるということを表していた。
チームを一言で表すと?
「チーム」を一言であらわすと? と尋ねられると、水野さんは「心ひとつでBACK UP!」と回答。みんなが役割分担をして、誰かがどこかで失敗しても周りの人がバックアップして助けられるという体制が重要だと語った。招致委員会のメンバーは、プレゼンメンバーだけではない。裏でバックアップする多くのスタッフが働いており、評価委員会が日本に訪れる際には夜も寝ないで準備、倒れそうになるところを声をかけあって過ごしていた。
また、ふだん個人でアスリートとして活躍する佐藤さんは「Dynamics」と回答。チームで動くことによって、いつもと違う迫力を感じたという。
滝川さんは「化学反応」と回答した。「本当に個性の強い、それぞれ違う職種の個が集まったチームでしたが、個を尊敬しあい、化学反応を起こしました。ときにはぶつかり合うこともあるけど、またそれがいい味を出して、最大限の力を出して、最高の力が出せたんじゃないかなと思います」(滝川さん)。
「水野さん、そのフランス語の発音違いますよ、というちょっとした小競り合いも、チームという横のつながりがあったからこそできました(笑)」と言うと、水野さんが「クリステルはきれいと思ってたけど、それだけやないことがわかった(笑)」と返し、仲の良い様子を見せた。
都庁の41階フロアに事務局全員が集まり、みんなに声をかければすぐに伝わるという状況で、チームの一体感が培われたという東京オリンピック招致チーム。今後は2020年のオリンピックを盛り上げ、また「2020年のあとにどのようなすばらしい社会づくりをできるかが、課せられた責任だ」と語り、オールジャパンのチームワークでぜひ成功させたいと締めくくった。