ドバイ航空ショーでのエミレーツA380型機

エミレーツ航空(本社:アラブ首長国連邦・ドバイ)は11月17日、ドバイ航空ショーにおいて、ボーイング777X型シリーズ150機(ボーイング777-8X型35機、ボーイング777-9X型115機、更に50機の購入権付き)並びに、エアバスA380型機50機の民間航空史上過去最大となる航空機を発注した。

777X型シリーズは2020年納入開始

ボーイングとエアバスへの合計発注額は、表示価格で990億米ドル(購入権を除く)と推定される。これは民間航空史上最大の発注契約であり、エミレーツにとっても過去最大の発注となる。

エミレーツのボーイング777X型シリーズの発注は合計760億米ドルにのぼり、1回の発注としては米国の民間航空史上においても最高額となった。また、エアバスA380型機に関しても230億米ドルで追加発注となり、世界で最も多くエアバスA380型機を運用する民間航空としての地位を固めた。これにより、同社が既に発注確定済の航空機は、ボーイング777型214機、エアバスA380型101機、エアバスA350型70機の合計385機(オプションまたは購入権を除く)で、総額約1,660億米ドルとなる。

エミレーツ及びエミレーツ・グループの会長兼最高経営責任者(CEO)であるシェイク・アハメッド・ビン・ザイード・アルマクトゥームは、「今回の発表は、効率的な中東のハブ空港であるドバイを通じて世界を結ぶという当社の決意とビジョンの延長線上にあります。この度発注した777X型シリーズは2020年に納入開始を見込んでおり、2025年以降、機材更新と輸送力の拡大を支えていくと期待しています」とコメントしている。

777型機とA380型機、世界最多数を保有

エミレーツのボーイング777X型シリーズにおける座席配置は、777-8X型機は3クラスで座席数342、777-9X型機は2クラスで座席数440以上となる予定。777X型シリーズは、ボーイング777-200LR型機、777-300ER型機に匹敵する飛行距離で定員数が多く、燃料効率が最大18%向上する。エミレーツは現在までに製造されたボーイング777型の10機につき1機以上を保有し、主力機材として活用している。

今回の発注には、ボーイング777X型シリーズ150機に搭載するゼネラル・エレクトリック(GE)社のGE9Xエンジン300基の購入も含まれている。米国政府の雇用乗数(米国の航空機輸出額10億米ドルあたり5,747件の雇用が増加する)を考慮すれば、ボーイング、GEだけでなく、何百ものサプライヤーを含め、米国の航空機製造業界で43万6,000件以上の雇用を保護・支援することになる。

現在、エミレーツは既に世界最多を誇る131機の777型機を保有し、777のすべての派生型を運用する唯一の航空会社となっている。2011年のドバイ航空ショーでは、総額260億米ドル(954億UAEディルハム)にのぼるボーイング777-300ER型50機(20機以上のオプション付き)を発注した。これは当時、ボーイング社に対する航空会社の1回の発注額(米ドル)としては史上最高となった。

エアバスA380型機においては、エミレーツは現在世界最多の39機を運用している。今回のエアバスA380型機50機の追加発注は、機材の増加と更新の両方のニーズに対応するもので、うち25機は2018年第1四半期までに納入が予定されており、2クラス構成と3クラス構成の混合になる予定。これにより、エミレーツの発注済みエアバスA380型は101機、合計450億米ドルとなった。