日本百貨店協会は19日、2013年10月の全国百貨店売上高を発表した。それによると、10月の売上高総額(店舗数調整後)は前年同月比0.6%減の約4,907億円となり、3カ月ぶりに前年を下回った。調査対象は85社242店。

10月は、中旬過ぎまで例年より高い気温が続いたほか、3つの台風が接近・上陸するなどの天候不順により、季節需要や入店客数が影響を受けた。売上シェアの約4割を占める秋・冬物衣料は低調に推移した一方、美術・宝飾・貴金属やラグジュアリーブランドを含む特選雑貨などの高額商品は増勢を維持した。

このほかの特徴としては、改装効果や増床効果のある東京、名古屋、大阪を中心に大都市が商況全体を下支えしたほか、商品別では住宅市場の活況を背景に家具が3カ月連続で前年を上回った。訪日外国人については、東南アジアの好調に加え、中国も国慶節休暇を機に回復傾向が見られ、売上は前年同月比150.9%増、客数は同142.3%増と、ともに前年より約2倍半伸長した。

地区別売上高を見た場合、10都市(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡)の合計は前年同月比0.9%増の約3,260億円で、3カ月連続のプラス。一方、10都市以外の地区は同3.5%減の約1,646億円で、4カ月連続のマイナスとなった。

地区別売上高

10都市の売上高詳細を見ると、札幌が前年同月比0.5%増の約127億円、東京が同1.2%増の約1,233億円、名古屋が同2.0%増の約307億円、大阪が同5.7%増の約668億円。一方、仙台は同1.6%減の約71億円、横浜は同0.4%減の約284億円、京都は同3.9%減の約189億円、神戸は同6.5%減の約123億円、広島は同7.8%減の約101億円、福岡は同0.4%減の約153億円となった。

商品別の動きを見ると、主要5品目では、雑貨が前年同月比6.0%増の約724億円で、12カ月連続のプラス。身のまわり品は同1.6%増の約616億円で、3カ月連続のプラス。家庭用品は同0.4%増の約239億円で、2カ月ぶりのプラス。それに対して、食料品は同0.0%減の約1,220億円、衣料品は同4.2%減の約1,826億円と、ともに3カ月ぶりのマイナスとなった。

このほか、美術・宝飾・貴金属は前年同月比19.7%増の約269億円で、14カ月連続のプラス。その他雑貨は同0.3%増の約189億円で、5カ月連続のプラス。家具は同5.4%増の約63億円で、3カ月連続のプラス。生鮮食品は同0.8%増の約261億円で、同じく3カ月連続のプラス。その他食料品は同0.6%増の約371億円で、2カ月連続のプラスとなった。