クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドは13日、世界のブランドショップ街の賃料動向に関する年次調査レポート「Main Streets Across the World」を発表した。

同調査は、世界64カ国334か所の一等地のブランドショップ街を、賃料水準(2013年6月末時点)に基づいてランク付けしたもの。

その結果、世界で最も賃料が高いショッピングエリアとなったのは、前年に引き続き香港・コーズウェイベイ(銅鑼湾)で、年額賃料(1平方フィート当たり、以下同)は3,017米ドル。前年比で14.8%上昇し、同調査開始以来はじめて1平方フィート当たりの年額賃料が3,000米ドル(坪当たり月額約88万円)を突破した。

以下、2位はニューヨーク・五番街(前年2位)で前年から横ばいの2,500米ドル、3位はパリ・シャンゼリゼ通り(同3位)で前年比38.5%増の1,601米ドル、4位はロンドン・ニューボンドストリート(同6位)で同15.6%増の1,047米ドル、5位は東京・銀座(同4位)で同7.4%増の984米ドルと続いた。

年額賃料 世界トップ10

世界の一等地のショッピングエリアの賃料は回復力を示し、全世界平均で前年比3.2%上昇した。これは前年の上昇率4.5%には及ばないものの、調査地点334カ所のうち、横ばいあるいは上昇した地点は285カ所に上った(前年は326カ所中262カ所上昇)。

地域別に見ると、米州地域の賃料上昇率は5.8%と、前年の10.9%を下回ったが世界で最も力強い成長を示した。また、米州地域のトップ10は米国が大半を占めた。

アジア太平洋地域の賃料上昇率は4.5%。国別に見た場合、香港の上昇率は21.8%で、3大高級ショッピングエリアの賃料上昇により、アジア太平洋地域の中でトップ3までを独占した。中国本土の上昇率は6.8%で、ラグジュアリー部門の取引鈍化があったものの、小売スペースの供給増加、国際的なブランドによる多様な新規参入や店舗拡張が見られ、引き続き市場としての魅力を保った。

韓国の上昇率は7.2%で、個人消費の減速がラグジュアリーブランドに悪影響を与えたが、ファストファッションブランドがこの停滞をカバーしたという。日本の上昇率は6.2%で、センチメント(市場心理)は良好な経済成長と高い小売支出に支えられ、今年は大幅に改善した。

ヨーロッパ中東アフリカ地域の賃料上昇率は2.1%(うちユーロ圏は2.0%)。経済の改善、金融機能の拡大、ラグジュアリーブランド企業の活発なテナントニーズ、および消費マインドの改善に支えられた。国別に見ると、フランスが16.3%の成長を記録。同国の高級ショッピングエリアは、ラグジュアリーブランド企業の新規出店、拡張、改装による強い需要で活況を見せたほか、観光客の増加と物件供給が限られていることで賃料上昇が持続した。