リサーチ・マーケティング事業を行うアイシェアは全国の20代から40代の一日に一度は間食をする女性500名を対象に「現代女性の間食に関する意識調査」を実施。今回の調査結果について、跡見学園女子大学生活環境マネジメント学科教授の石渡尚子氏が、専門家の立場で調査結果の解析と、現代人の間食について解説を行っている。
罪悪感がありながらも「つまみ食い」。空腹の我慢で体調不良になることも
会社の健康診断も終わり、そろそろ結果が出てくる頃。ビールの飲み過ぎや無駄な間食でコレステロールD判定になってしまっている人も……。そこで、食の実態、とりわけ間食について調査を実施したところ、一日に一度は間食をしてしまうという女性500名が、間食をする時に気をつけていることは、「カロリー」(60.6%)、「腹持ち」(33.2%)、「糖分・糖質」(24.8%)、「栄養素」(10.8%)となっており、よく間食をする時間帯は「昼から夕方にかけて」(64.0%)がもっとも多かった。間食をすることに罪悪感があるか聞いたところ、60.6%が「罪悪感がある」と回答。さらに空腹を我慢することがストレスになるか聞いたところ、77.6%が「ストレスになる」と回答しており、そのストレスの解消法は「つまみ食い」がもっとも多く68.3%となった。
このような結果から、間食に罪悪感を感じ、空腹を我慢することでストレスを溜め、ストレス解消に間食をしてしまうというループの実態が浮き彫りになったが、空腹を我慢することで体調不良になることもあるようで、44.0%が体調不良になったことがあると回答。主な症状に「胃痛」(15.8%)、「めまい」(10.2%)、「腹痛」(7.0%)などがあがっている。また、つまみ食いをしてしまう食べ物については、「チョコレート類」(70.9%)、「スナック菓子類」(57.5%)、「おせんべい類」(43.4%)などが上位になり、実際には間食時に気をつけているカロリーや腹持ちなどとは無縁の食べ物が上位をしめる結果となっている。
跡見学園女子大学生活環境マネジメント学科教授 石渡尚子氏の解析と提言
今回の調査から、跡見学園女子大学生活環境マネジメント学科教授の石渡尚子氏は、間食ではなく「つなぎ食」を提言。調査結果にもある通り、空腹を我慢することで内蔵への負担や冷えの症状がおこり、具合が悪くなることもあるため、「昼から夕方のちょっとした空腹時に間食する事などは否定できない」(石渡氏)。石渡氏のいう「つなぎ食」は、1度の食事に摂る栄養素、カロリーなどの一部を前倒しして、次の食事までの繋ぎとして食べるということ。そのため、「つなぎ食」であれば罪悪感を感じることはないのではないかという。
間食では糖質が多くなりがちだが、「つなぎ食」では、体のもとになるたんぱく質やエネルギーを作るために必要なビタミンやミネラルを含む食材を推奨。「例えば、大豆はたんぱく質を豊富に含んでいるにもかかわらず、卵や肉類のようなコレステロールはほとんどありませんし、ビタミン、ミネラルも多種類含んでいます。この場合、足りないビタミンA・Cを補うため、色の濃い緑黄色野菜やフルーツなどを合わせて摂れば、栄養バランスも良くなります」(石渡氏)。
調査結果の上位になっているスナック菓子などの食べ過ぎは生活習慣病の引き金になるため注意が必要であり、1日に必要な栄養素、カロリーの一部として「つなぎ食」の摂取を奨める石渡氏だが、当然ながら、これまでどおりの食事に「つなぎ食」を加えるとカロリーオーバーになり、かえって肥満につながるので、夕食で「つなぎ食」分のカロリーを差し引くのが効果的であると、あわせて提言を行っている。