映画『相棒―劇場版III―』の製作報告会見が12日、都内で行なわれ、キャストの水谷豊、成宮寛貴らが出席した。

左から、宅麻伸、釈由美子、伊原剛志、水谷豊、成宮寛貴、石坂浩二、及川光博、和泉聖治監督

同作は、2000年のテレビ初登場以来、連続ドラマシリーズや劇場版を製作してきた「相棒」シリーズの劇場版第5作目。現在、放送中の連続ドラマ『相棒 season12』(テレビ朝日系)でコンビを組む警視庁特命係の杉下右京(水谷)と3代目相棒の甲斐享(成宮)が、ある死亡事故の調査で訪れた島の隠された謎に挑む――というストーリーで、映画は2014年4月26日から全国公開予定。

会見には、水谷、成宮のほか、ドラマシリーズで出演していた及川光博、石坂浩二、劇場版キャストの伊原剛志、釈由美子、宅麻伸と和泉聖治監督が出席。主演の水谷は、沖縄で敢行された密林や断崖での過酷な撮影を振り返り、「スーツです。紅茶も飲みます」と笑いを誘いつつ、「より社会派エンタテインメントになった。今までで最も素晴らしいと思う作品になったら」と自信を持ってアピール。続けて、「陸・海・空とものすごいスケールの作品」とPRした相棒の成宮は、「緊張してたけど、水谷さんに『相棒の2人は、いつもと変わらないコンビネーションでやっていこう』と言われて、落ち着いて出来ました」と水谷に尊敬の眼差しを送った。

また、2代目相棒で同作に警視庁長官官房付として出演している神戸尊役の及川は、「ご無沙汰しております」とあいさつし、「久しぶりに特命係のセットに入った時は、部室に帰って来た卒業生のような気持ちだった」と感無量。水谷が「神戸くんが警察を辞めてなくて良かった。3人のシーンは楽しんでやりました」と笑顔を見せ、成宮が「共演出来て光栄です。『相棒』では、こうやってNGを出せば良いんだと勉強になりました。NGのリカバーが上手で」と褒めちぎると、及川は「台本15ページくらいのセリフを1カットで撮るんですよ。緊張して、久しぶりに脇汗をかきました」と明かしつつ、新旧相棒の共演を喜んだ。

一方、劇場版キャストの伊原は「『相棒』に出れるなんて、夢のよう」と感激し、元陸上自衛隊員で民兵の役どころを演じた釈も、「日本を代表する作品に出演出来てうれしい。母親にも『でかした!』と言われました」とにっこり。釈は、自衛隊のトレーニングをつんで撮影に臨んだことを明かしつつ、「女性が1人だったので、楽をさせてもらえるかな? と思ったけど、全く容赦が無かった」と苦笑いで振り返り、「スタント無しで3メートルの橋から飛び降りたり。怪我も無く終えたことにホッとしています」と和泉監督に恨み節。そんな釈に、和泉監督は「現場ではやるしかないんで。釈さんはすごかったですよ」と体を張ったアクションに太鼓判を押した。