説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iOS 7にアップグレードしたら、iPhoneの動作がおかしくなった?」という質問に答えます。
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iPhoneは「小さなコンピュータ」です。小さなボディにCPUやメモリを搭載し、そこでシステムソフトウェア「iOS」を稼働させることで機能を実現しています。そのiOSはMac用システムソフトウェア「OS X」をもとに開発されており、長年の運用実績に裏付けられた高い安定性を持ちます。
一般的に、ソフトウェアは長い時間とコストをかけて検証作業を行い、不具合(バグ)を洗い出します。それでも不具合を完全に洗い出せることは希で、いくつかの不具合は残ります。特定の状況下でのみ出現する不具合も存在しますから、ユーザからの不具合報告を受けて対処する、という方法もとられます。
iOS 7もソフトウェアですから、そのような不具合と無縁ではありません。OS Xと多くの部分で共通しているシステムのコア部分(カーネル)は、長年利用されているだけに安定していますが、iOS登場後に追加された機能群(アプリや開発フレームワーク)まで安定していることを意味しません。追加された機能、変更された機能が不安定要因となることは大いにありえます。
確かに、インターネット上ではiOS 7に関する多くの不具合が報告されています。「メッセージ」でiMessageのテキストが送信できない、「Siri」で低品質の音声が使われてしまう、などの不具合はiOS 7公開後に現れました。
明らかな不具合が発生した場合は、AppleがiOSの新バージョンを公開するのを待つしかありません。実際、10月23日公開のソフトウェアアップデートでiOS 7.0.3に更新すると、上述した不具合は解消されています。
しかし、それでも不具合は残っていますから、いずれ再びソフトウェアアップデートが実施されるのでしょう。今後も新しいOSやアプリが公開されれば、同じことが繰り返される可能性は極めて高いといえます。iOSは旧バージョンに戻せませんから、ユーザとしてはソフトウェアアップデートの情報を追いかけ続けるしかありません。