財務省は11日、2013年度上半期(4~9月)の国際収支(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は3兆548億円の黒字となり、黒字幅は前年同期と比べて2,960億円(10.7%)拡大した。
黒字幅の拡大は6期ぶり。貿易・サービス収支が過去最大の赤字幅となったものの、所得収支の黒字幅が拡大し、貿易・サービス収支の赤字を補う形となった。
貿易・サービス収支は5兆4,511億円の赤字。赤字は5期連続で、赤字幅は前年同期より1兆1,674億円拡大し、統計として連続性のある1985年度上半期以降、最大の赤字額となった。これは、サービス収支は赤字幅を縮小したものの、貿易収支の赤字幅が増加したことによる。
貿易収支は4兆6,664億円の赤字。こちらも赤字は5期連続で、赤字幅は前年同期と比べて2兆222億円拡大し、1985年度上半期以降で最大の赤字額となった。自動車や有機化合物を中心に輸出が増加したものの、原粗油や半導体等電子部品を中心とした輸入の増加が上回ったことが影響した。
輸出額は前年同期比2兆8,609億円増の33兆8,347億円で、5期ぶりの増加。輸入額は同4兆8,832億円増の38兆5,101億円で、7期連続の増加となった。
サービス収支は7,848億円の赤字。赤字幅は前年同期比8,548億円減となり、5期ぶりに縮小した。これは、輸送収支、旅行収支、その他サービス収支がいずれも赤字幅を縮小したことによる。
所得収支は8兆9,950億円の黒字。黒字幅は前年同期比1兆4,710億円増と6期連続で拡大し、1985年度上半期以降で最大の黒字額となった。配当金・配分済支店収益の受取増加などにより直接投資収益が増加したことに加え、配当金や債券利子等の受取増加などにより証券投資収益も増加したことが影響した。
資本収支は1兆4,762億円の流入超(前期は4,884億円の流入超)となった。
同省は併せて2013年9月の国際収支(速報)を発表。それによると、経常収支は5,873億円の黒字となり、黒字幅は前年同月比で736億円(14.3%)拡大した。
貿易・サービス収支は9,763億円の赤字。赤字は18カ月連続(季節調整値ベースでは31カ月連続)で、赤字幅は前年同月比で2,383億円拡大した。
貿易収支は8,748億円の赤字。赤字幅は前年同月比で4,002億円拡大した。赤字は15カ月連続で、9月としては過去最大。
輸出額は前年同月比6,126億円増の5兆7,172億円で、7カ月連続の増加。輸入額は同1兆128億円増の6兆5,921億円で、11カ月連続の増加となった。
サービス収支は1,015億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で1,618億円縮小した。所得収支は1兆6,279億円の黒字で、黒字幅は同3,218億円拡大した。また、資本収支は2,133億円の流入超(前月は1,805億円の流出超)となった。