ヤマハは、メロディー素材をつなぎあわせるだけで簡単に「ボカロ曲」を作曲できるiOS向けアプリ「VOCALOID first」の提供を開始した。価格は無料。
「VOCALOID first」は、音楽制作の経験がまったくない人でも、「ボカロ曲」を簡単に制作できるアプリ。あらかじめ用意されたブロック単位になっているメロディー素材を並べて作曲を行う。メロディーブロックの入れ替えや削除をあとから自由に行えることに加え、音の高さをノート単位で変更することもできるため、好みにあわせて楽曲の微調整を行える。アプリの歌声には、日本語女声の歌声ライブラリ「VY1」を採用。このアプリの開発にあたって、プロデューサーにメディアデザイナー・ゲームクリエイターの水口哲也を迎え、「クリエイティブな世界へのいざない」をコンセプトとした世界観の表現と、操作の心地良さを感じさせるようなユーザーエクスペリエンスの実現を追求したという。
また、「楽曲テーマ」ごとのサンプル曲を事前に試聴することも可能で、「はじめてのボカロうた」、「純心ガール☆ポップチューン」、「サラリーマン侍 テクノ川柳」など、"ボカロ曲"ならではのさまざまな世界観のテーマ(一部有料/ひとつ200円)が用意されている。今後も楽曲テーマは追加される予定だ。そのほか、ノートを複数選択すると、「楽曲テーマ」にそった歌詞の候補が自動提案され、気に入ったものを選ぶだけで歌詞をノートに簡単に流し込める。歌詞は自動生成だけでなく、自由に入力することも可能で、自動提案された歌詞とオリジナルの歌詞を組み合わせて効率的に歌詞を制作できる。出来上がった楽曲はオーディオファイル(m4a形式)で外部にメールで送信可能となっている。
ちなみに、同様の製品として、2010年よりiPadやiPhoneで"ボカロ曲"が制作できるアプリ「iVOCALOID」シリーズが発売されている。「iVOCALOID」では、音程や音の長さをノート単位で入力してメロディーを制作していく本格的な制作スタイルに対応する。このたび追加された「VOCALOID first」により、ビギナーからクリエイターまでカバーする、iOSデバイスによる幅広い制作スタイルに対応できるようになった。