三菱重工業、三菱商事、三菱東京UFJ銀行(以下3社を総称して「株主3社」という)は、2005年以降一貫して三菱自動車の再生支援を継続してきており、この間、三菱自動車は、3回の中期経営計画を着実に遂行し業績を改善、安定した収益基盤を確立してきたという。斯かる状況を踏まえ、三菱自動車は、優先株処理を含む「資本再構築プラン」を6日発表した。

株主3社は、このプランの実行により、同社再生に一区切りがつくものと評価しているという。このたび、株主3社は、三菱自動車の新たな成長ステージへの移行にあたり、資本再構築プランと同時に発表した次期中期経営計画を支持し、その遂行による力強い成長の実現をサポートしていくとしている。そのため、資本再構築プランの実行後においても、株主3社合計の議決権比率を34%以上とするという。

また、株主3社は、資本再構築プランへの最適な対応を検討した結果、匿名組合方式を一部取り入れることとしたという。具体的には、三菱重工業は、三菱商事及び三菱東京UFJ銀行を出資者とする匿名組合を、三菱重工業の子会社の特別目的会社を通じて組成し、同組合分の議決権と併せ、三菱自動車に対する議決権比率を20%以上とする。これにより、三菱重工業は、三菱自動車の次期中期経営計画期間中について、基本的に同社の持分法連結を維持し、同社の企業価値向上に向けた取り組みを従来同様に支援するとしている。

株主3社による協力を基盤に、三菱重工業は、このたび、三菱自動車との間で、新たな時代の業界環境に即した技術開発・品質面での支援契約を締結する予定だという。また、三菱商事及び三菱東京UFJ銀行は、三菱自動車に対する事業面でのサポートを継続するとともに、三菱重工業による持分法適用維持と技術開発・品質面での支援をサポートするべく、それぞれ匿名組合への出資を行う方針としている。

匿名組合方式の概要

  • 三菱重工業は、同社が直接又は間接に100%出資して設立するグループ会社(特別目的会社=SPC)をして、同SPCを営業者とし、三菱商事及び三菱東京UFJ銀行を出資者(匿名組合員)とする匿名組合契約を、三菱商事及び三菱東京UFJ銀行との間でそれぞれ締結させる。同SPCは各出資者から三菱自動車の優先株を現物出資として取得し、同優先株を普通株に転換した上で匿名組合の出資財産として所有し、三菱自動車の株主としての議決権を行使する