NECパーソナルコンピュータが、同社製PCの2013年秋冬モデルに標準搭載されている情報リーダー「My Time Line」を、Windowsストアにおいて一般向けに配信開始した(関連記事)。秋冬モデル搭載のものからver 2.0にアップデートし、Facebookへの投稿機能を備えるなどの強化も図られている。

同アプリは、ニュースサイトやポータルサイトで発信されている情報を分析し、「社会的な注目度」と「ユーザーの興味度」によって、自動的に配信してくれるのが大きな特長。いったいどんなメリットがあるのか、実際の使い勝手はどうなのか。ベータ版をプリインストールした試用機を借りられたので、早速2週間ほど試してみることにした。

NECパーソナルコンピュータの情報リーダー「My Time Line」

「好み」の設定は不要

インターネットの普及で情報を手軽に入手できるようになった反面、あまりにも情報が多すぎて困る場面も増えてきた。毎日発信される膨大なニュースの中から、どうすれば興味ある情報だけを効率よく収集できるか頭を悩ませている人も少なくないのでは? そんな人にとって福音になりそうなアプリが、この「My Time Line」である。

「My Time Line」は、ニュースサイトやポータルサイトが発信している情報を自動的に収集して表示してくれるアプリだ。いわゆるニュースリーダーアプリの一種だが、「ユーザーの興味を学習する」こと、そして「社会的に注目されている情報」の2つのフィルタリングエンジンを組み合わせている。

特に、「ユーザーの興味」については、ユーザーの閲覧履歴やアプリ上での行動を学習して情報をフィルタリングし、欲しい情報だけを選び出してくれる。と言っても、使い始めるにあたって特別な設定を行う必要はない。アプリを起動して気になるニュースを選んで閲覧していくだけでOKだ。

初回起動時はトップ画面にTwitterで注目度の高い(リツイート数の多い)情報がピックアップされて表示されている。情報は時間順に並んでいるが、画面上部のスイッチを「時間順」から「カテゴリ順」に変更すると情報をカテゴリ別にまとめて表示できる。画面左側にはカテゴリのリボンが用意されており、いずれかを選ぶとそのカテゴリの情報だけを時間順に表示することが可能。初めてでも迷うことなく操作できるシンプルで分かりやすいユーザーインタフェースだ。

My Time Lineのトップ画面。初回起動時は、Twitterで注目度の高い記事(リツイート数の多い記事)が並んでいる

画面上部のスイッチを「時間順」から「カテゴリ順」に変更すると、情報をカテゴリごとにまとめて表示できる。各カテゴリは8個の情報がピックアップされている

表示されているニュースを選ぶと、左側にニュースのリストが、右側に選んだニュースの記事本文が表示される。My Time Lineの場合はアプリ内にブラウザが組み込まれているため、Internet ExplorerなどのWebブラウザで見るのと同じようなレイアウトで記事を読むことができる。バナー広告などもそのまま表示されるため読み込みに若干時間がかかることもあるが、わざわざWebブラウザで開き直す必要がないのはうれしい(Webブラウザから開く機能もある)。

なお記事によっては、タイトルと写真、テキストをアプリのUIに合わせて見やすく整形して表示される場合もある。このあたりの表示方法の違いは、コンテンツを提供しているニュースサイトなどにより異なっているようだ。

ちなみにコンテンツプロバイダは7日時点で25社・65サイトに及び、おもだったニュースサイトやポータルサイトの多くを網羅している。現在のところ自分で任意のニュースサイトを登録できないのは少し残念だが、NECパーソナルコンピュータによれば今後もコンテンツプロバイダを随時拡充していくとのことなので期待したい。

カテゴリの「音楽」を選んだところ。音楽関連のニュースだけを表示できる

記事を選んで表示させたところ。Webブラウザで見るのと同じようなレイアウトで表示できる

記事によっては、タイトルと写真、テキストが見やすく整形される場合もある

使うほど情報の選別精度が上がる

「My Time Line」でニュースを閲覧していると、知らない間に自分の興味のあるニュースがトップ画面に表示されるようになる。これは、アプリが閲覧履歴などを分析してユーザーの興味のあるジャンルのニュースを優先的に表示するようにしているため。今回の場合、使い始めたばかりのころは国内の時事ニュースやITニュースが多く表示されていたが、3日目あたりから自分が興味のあるデザインや映画関連ニュースが目立つようになった。

同時に、トップ画面左側のカテゴリも、興味のあるものが上位に表示されるようになり、一部のカテゴリは、リボンの色が当初の青から青紫、紫、赤紫、赤へと変わっていった。なお、リボンの色は青から赤まで7色あり、興味度の高いものほど赤い色になる仕組みという。

My Time Lineを使っていると、トップ画面のカテゴリの表示順位やリボンの色が次第に変わってくる。興味度の高いものほどリボンが赤い色になる

もっともトップ画面が、興味あるカテゴリのニュースだけで埋め尽くされるかと言うとそうでもなく、興味の薄いカテゴリのニュースもバランス良く混ざっている(先述の「社会的な注目度が高いニュース」だと思われる)。そのため「こんなニュースもあるんだ」と常に新しい驚きがあり、情報の"偏食"を心配する必要はなさそうだ。

ちなみに、カテゴリの種類は全部で54。しかも、スポーツひとつとっても「野球」、「サッカー」、「ゴルフ」、「テニス」、「フィギュアスケート」といった具合に細かく分けられているので、野球やゴルフにはあまり興味がないけれどフィギュアは好きという場合でも興味が反映されやすい。設定画面では、これらのカテゴリのうち興味のないものを解除してニュースを配信しないようにすることもできる。覚えておくと便利だ。

ピックアップされた記事の帯もリボンの色が反映され、興味度の高いものは赤くなる

興味設定画面。興味のないカテゴリは解除してニュースが配信されないようにできる。解除したカテゴリはグレーで表示される

ニュースを読むのが楽しくなるアプリ

「My Time Line」には、ほかにも便利な機能が搭載されている。たとえば、設定画面で居住地域を選んでおくと、画面上部にその地域の天気と気温を表示する。また、気に入ったニュースをクリッピングしたり、Facebookで友だちとシェアすることも簡単にできる。アプリのUIも細部にこだわりが見られ、画面切り替え時のアニメーションやマウスオーバー時のエフェクトなどが凝っており、使っていて単純に楽しい。

しかも、面倒な設定抜きで誰にでも簡単に使い始められる。そうやって使っているうちに欲しい情報が的確に届くようになるのは、まるで専属の秘書がいるかのよう。現在ニュースリーダーアプリを使っている人、毎日のニュースチェックを効率的に行いたい人は、ぜひ一度試してみてほしい。きっと、使えば使うほど手放せなくなるはずだ。

画面上部には、時計や居住地域の天気や気温も表示される

天気・気温のボタンをクリックすると、天気予報を表示できる

気になるニュースはクリッピングしておくことができる

ニュースのサムネイル上をマウスオーバーすると、カテゴリのアイコンが表示される