SRS-BTS50は、IPX2相当の防滴性能を持っているとされている。IPX2は「上から15度の範囲からかけられる水滴に対しての保護」だ。例えば、雨が降ってきても、それだけで機能が損なわれることはないということだろう。また、表面に使用されているファブリックには撥水加工が施されている。
しかし、これだけではどの程度にまで耐えられるのか、はっきりとは分からない。IPX2といっても、それがギリギリでクリアできるのか、それとも余裕を持ってクリアできるのかでは大きな差がある。というわけなので、本気で雨が降っている中、SRS-BTS50をカラピナでバイクに取り付けて30分程度走行してきた。国道246でかなりのスピードで走っていた。IPX2の基準よりもかなり厳しい条件だ。
下の写真は、走行後のSRS-BTS50の様子だ。SRS-BTS50の表面に採用されているファブリックには、破水加工が施されている。しかし、撥水処理には大きな期待をしてはいけないということを、身をもって体験したという人も多いはずだ。例えば、アウターに撥水処理が施されていても、それは気休めにしかならない場合が多い。同じように、SRS-BTS50ののファブリックも思い切り雨水を吸っていた。
しかし、機能面で特に問題が発生しているようには見えない。本体の左サイドに配置されている防水ふたの中には、水は浸入していなかった。この状態で音楽再生を行ってみたが、特に変化はなかった。耐水性のの高さは、IPX2の基準をかなり上回っているのではないだろうか。
これなら、例えばウィンタースポーツに持っていって、雪まみれになったスポーツギアと一緒に車のラゲッジスペースに入れておいても、問題が起こるようなことはないだろう。
ボタンは分散配置されているが、意味のない配置ではない
SRS-BTS50では、各種操作ボタンが、本体の右サイド、上面、下面と分散配置されている。本体の右サイドには電源ボタンとインジケーター、フックが配置されている。上面にはボリュームコントロール、通話ボタン、Bluetoothとバッテリーチャージのインジケーターが配置されている。左サイドにはアナログ出力端子やACアダプターを接続するためにDCジャックが配置されているが、普段はふたの中に収められている。下面には入力切替/ペアリングボタン、バッテリーの状態を音声確認するためのボタンが配置されている。この分散配置が、操作性の面で少々気になるという人もいるかも知れない。
しかし、これらの操作ボタンは、意味があって分散配置されているようだ。SRS-BTS50をバイクに取り付けて雨の中走行した際に、途中で停止してSRS-BTS50のスイッチを入れてみた。電源スイッチはスライド式で、それ以外のボタンは大きめに作られている。SRS-BTS50の操作系は、防水のグローブをした手でも操作しやすいサイズと形状なのだ。そのためのボタンの大型化と分散配置なのだろう。
もっとも、接続しているスマートフォンのほうは、グローブをはずさないと操作はできないし、防水性も持っていない。危険なのであまり長時間は試せなかった。いずれにせよ、雨の中が、音楽を聴くのには適した環境ではないことは確かだ。
アウトドア向けの仕様がインドアでの用途を拡大
SRS-BTS50の防滴仕様やサウンドモードの切り替えは、おそらくアウトドアでの使い勝手を考え搭載されたものなのだろう。しかし、これはインドアでの用途も広げているように思える。
キッチンなどの水回りでの使用しても、水にぬれた手で操作することがまったく気にならない。サラウンドモードにしておけば、細かい設置条件など考えずに、部屋の片隅に置いておくだけで手軽に使うことが可能だ。
日常での使用も十分にこなし、そしてそれをそのままアウトドアに持ち出せる。それがSRS-BTS50のスタイルだ。1台でさまざまな環境に対応できるRV系の車のようなスピーカーだといえるのではないだろうか。