JR東日本は6日、釜石線を中心に東北エリアで運行予定のSL列車の名称を「SL銀河」とし、2014年4月以降に運行開始すると発表した。

「SL銀河」の内装イメージ(画像左)と、客車の外観イメージ(同右)

同列車は観光面からの復興支援と地域活性化を目的に投入されるもので、昨年10月、「SL銀河鉄道」の仮称で計画が発表されていた。蒸気機関車C58形239号機とキハ141系旅客車4両からなる編成で、座席は180席(予定)。C58形239号機は岩手県営運動公園内の交通公園に展示保存されていた蒸気機関車で、現在は運行に向けて復元工事が行われている。

旅客車については、釜石線沿線を舞台に描かれた宮沢賢治『銀河鉄道の夜』をテーマに列車全体をプロデュース。ガス灯風の照明やステンドグラス、星座のパーテーションなどにより、宮沢賢治の生きた大正から昭和にかけての世界観を演出する。「ゆるやかな個室感と柔らかな光の中でゆっくりと非日常を満喫していただけます」(JR東日本)とのこと。

列車内には宮沢賢治関連の展示や、沿線を含む東北ゆかりの品々の展示を行う予定。小型プラネタリウムの上映、星空にまつわる展示なども計画中だという。旅客車の外観は、夜空をイメージしたブルーをベースに、『銀河鉄道の夜』に登場する星座や動物をシンボル化して描く。1号車から4号車まで客車ごとに色のトーンを変えてグラデーションとすることで、編成全体で銀河ブルーを表現。車両の内外装デザインや展示などについては、各ジャンルのスペシャリストに意見や協力を求めるという。

「SL銀河」編成全体のイメージ(画像はすべてJR東日本提供)

「SL銀河」は臨時列車として、土休日を中心に年間80日程度(釜石行、花巻行各40日程度)運行予定。具体的な運転日は復元状況を見ながらあらためて発表するとしている。