オウチーノ総研は、20代~50代の就労者616人を対象に「『働く目的・モチベーション』に関するアンケート調査」を実施した。調査期間は10月11日~10月15日。
働く目的1位は「生活・家族のため」
「あなたの働く目的は何ですか?」と聞いたところ、最も多い回答は、すべての年代において「生活・家族のため(20代が63.6%、30代が74.0%、40代が83.8%、50代が82.5%)」だった。
また、全年代共通で、「自由に使えるお金が欲しいから(20代が59.1%、30代が51.3%、40代が38.3%、50代が42.2%)」が第2位、「貯蓄するため(20代が48.1%、30代が42.9%、40代が21.4%、50代が22.7%)」が第3位にランクイン。その割合をみると、若年層ほど「お金」を目的としている人が多いことがうかがえる。
さらに、職業別にみてみると、「公務員」は働く目的を「生活・家族のため」、「社会、人の役に立ちたいから」、「社会人としての責任だから」とする人の割合が各職業の中で最も高い。一方、「自由に使えるお金が欲しいから」が最も低く、「貯蓄するため」も「経営者・自営業」に次いで低くなった。
「経営者・自営業」は、「仕事が好き、面白いから」、「やりがいを得たいから」とする割合が最も高く、「社会、人の役に立ちたいから」も「公務員」に次いで高かった。反対に、「貯蓄するため」、「働いていないと社会性を問題視されるから」が最も低くなっている。同社は、大きな責任が伴う「経営」という仕事ができるのも、「仕事が好き」という思いがあるからだと推測している。
「会社員」は、「貯蓄するため」、「自分自身を成長させたいから」とする割合が最も高く、「自己実現のため」「自分のスキル・能力を活かしたいから」「社会、人の役にたちたいから」「仕事が好き、面白いから」が最も低かった。比較的、自己成長や給料など、仕事を通して「何かを得る」ことが目的となっている。
開業医や士業、芸術家などの「自由業」は、働く目的を「自由に使えるお金が欲しいから」、「自己実現のため」、「自分のスキル・能力を活かしたいから」とする割合が最も高く、最も低いものとして「社会人としての責任だから」などがあげられた。
男性「貢献すること」、女性「自己成長」。モチベーションに男女差がみられる
働くモチベーションは何か聞いたところ、第1位は全年代で「給料がもらえること(20代が87.7%、30代が76.0%、40代が69.5%、50代が74.0%)」だった。一方、「出世・昇給すること」は20代の5位のみにランクイン。40代、50代の割合はわずか5.0%前後にとどまり、なかなか給料が上がらないこの時代の世相を表していることがうかがえる。
また、出世と関連した「周りに認められること」、「仕事・役割を任されること」、「上司・部下・同僚から期待されること」といった項目の割合も低いことから、ビジネスマンたちのモチベーションにつながるのは、「周りからどう評価されるか」ではなく「自分自身の能力・スキルをいかに向上・発揮させられるか」や「やりがいのある仕事に取り組めるかどうか」であることがわかった。
この結果を男女別でみてみると、男女ともに「給料がもらえること」を選んだ人が最も多く70%超。「出世・昇給すること」、「会社に貢献すること」、「社会に貢献すること」、「仕事で成果が出ること」、「家族の幸せ」は男性の方の割合が高く、「自分の成長を実感すること」、「自分のスキル・能力が活かされていること」、「周りに認められること」、「プライベート・休日が充実すること」などは女性の方が高くなった。
男性は「仕事で成果を出して周りに貢献すること」がモチベーションにつながり、女性は「仕事を通して自分自身がレベルアップすること」や「周りから求められる存在になること」、そして「生活が充実すること」がモチベーションとなっていることがわかる。