次いで登壇したセイコーエプソン LP・SCN事業推進部 部長の山崎英雄氏からは、新製品の強化ポイントが紹介された。

セイコーエプソンの山崎氏

従来製品「ES-D350」と比較して、約46%の省スペース化、さらに軽量化も実現したという「DS-510」と「DS-560」は、光学読み取り系の部品を一新し、非常にコンパクトなセンサーモジュール(CIS)を採用。よりストレートな給紙構造(経路)で給紙性能の向上を図りつつ、読み取る原稿へのダメージも軽減するスマートフィーディングシステムを搭載している。

また、給紙のキモともなるガイドについては、従来のパット方式からローラー方式へと進化を遂げた。封筒や長尺紙の読み取り、A6からA4サイズの原稿を一緒に読み取ることも可能となり(サイズが異なる原稿をADFにまとめてセットしても大丈夫)、使い勝手が大きく向上している。

ドキュメントスキャン領域での拡大を狙うべく、独自の「省・小・精」のコンセプトで開発された新機種

幅広いユーザーに訴求できるように、新たに投入する今回の3製品とポジショニング。ホームユースや一般オフィスでは「DS-510」「DS-560」を、バックオフィス向けには「DS-860」

小型かつ高い生産性と汎用性を備える「DS-510」と「DS-560」

高い処理能力と耐久性を持つ業務用途向けの「DS-860」

いずれの製品も、本体サイズと重量が大幅にダウン

省スペース化と重量減の秘訣は、新たに搭載されたセンサーモジュール(CIS)。生産性と信頼性の向上にはスマートフィーディングシステムが寄与している

給紙性能向上のために、紙送り機構がパット方式からローラー方式へと変更された

写真左は「DS-510」と「DS-560」のローラー部。写真右は「DS-860」のもの。「DS-860」のローラーには溝が掘られており、給紙時の信頼性向上につながっている

「DS-860」においては、メインターゲットが法人ユーザーということもあり、毎分60枚の高速スキャンに加え、最大80枚のADF給紙容量、100万回のスキャンにも耐えうるという耐久性能を誇る。

信頼性の向上で重要な役割を担うローラー。高い信頼性がもたらす用紙対応能力

また、いずれの製品も従来製品に比べ、スリープモード時で1.6Wという省電力化を図った。オプションの有線LAN対応「ネットワークインタフェースユニット(DSBXNW1)」を使うと、1台のスキャナから複数のPCへとプッシュスキャンが可能となるという。「DS-860」においては、あらかじめセットしたスキャニング設定を本体の操作パネルからワンタッチで呼び出せるなど、PCや周辺機器が得意でない人でも簡単にできる工夫を盛り込んでいる。

Wi-Fi機能を有した注目の「DS-560」は、スマートフォンなどからダイレクトにスキャナを操作できるWi-Fiダイレクトスキャンが可能。この機能のユニークな点は、PCレスでスキャンを行えるうえに、スキャンしたデータを直接スマートデバイスに保存できること。DS-560自体がアクセスポイントとなるAPモード、既存のWi-Fi環境に接続するWi-Fiモードのいずれが選べる。ノマドワークやスマートデバイスをフル活用しているユーザーにとっても、魅力と映るのではないだろうか。

A3や長尺モノはもちろん、今回エプソン初となる封筒のスキャンにも対応。そのうえ高い耐久性を誇る

「DS-860」は一度に80枚もの大量給紙が可能。しかも、いずれの製品もスリープモード時において大幅な消費電力低減に成功している

企業などでの利便性向上に寄与してくれるであろう「ネットワークインタフェースユニット(DSBXNW1)」と利用イメージ

「DS-860」の操作パネルからは、ワンタッチで必要な設定を呼び出せる

筆者も気になる「DS-560」のWi-Fiダイレクトスキャン

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