UQコミニュケーションズの新しい高速通信サービス「WiMAX 2+」が10月31日にスタートした。それにともない、秋葉原、有楽町、池袋の量販店でスタートイベントを開催し、同社の野坂章雄社長が登壇。「新しいモバイルインターネットの時代を築いていきたい」とアピールした。
WiMAX 2+は、LTE規格の1つで、TD-LTEと互換性のある高速通信方式。従来のWiMAXとの互換性はないが、下り最大40Mbpsから同110Mbpsまで高速化が可能となり、これまで他社の後塵を拝していた同社サービスの速度的な不満を解消することができる。東京・環状7号線圏内の一部を皮切りにサービスを開始し、2013年度中に東名阪に、14年度中に全国にエリアを拡大する。
料金は月額5,455円だが、2年の継続利用を条件に月額4,405円に割り引く。さらに割引施策「おトク割」を利用することで、最大25カ月間525円の割引が適用され、月額3,880での利用が可能となる。またauスマートフォンの利用者であれば、auスマートバリューmineプランが利用でき、2年契約であれば月額780円、4年契約であれば月額980円、それぞれスマートフォンの月額料金から割り引かれる。また、当初は2年契約でも月額980円(その後は月額780円)の割引が適用できる。
利用できるサービスは、既存のWiMAX、新サービスのWiMAX 2+に加え、auの4G LTEの3種類。これまで通り、WiMAXは通信料無制限で利用でき、追加料金は発生しない。WiMAX 2+は月間使用量7GBの制限があり、それを越えると速度制限がかかるが、当初2年間はこの制限を適用しないため、WiMAX 2+も無制限で利用できる。au 4G LTEは、利用に際し追加料金が必要で、金額は月額1,055円。ただし、利用しなかった月は請求されないので、エリア外などで使う必要がある場合にのみ利用する、といった使い方が可能。
同日開催したスタートイベントにおいて野坂社長は、「一番のアピールポイントはノーリミット(無制限)」と強調。現在はWiMAXもWiMAX 2+も「ノーリミット」で、2年後にWiMAX 2+の7GB制限が適用されても、WiMAXに切り替えれば無制限で使える点をアピールする。「これが実現したのも、既存周波数の30MHz幅に加え、新たに20MHz幅を得て、連続した50MHz幅が使えるようになったことが大きい」と説明。この帯域幅を生かし、2014年には下り最大220Mbps、将来的には下り最大1Gbpsの通信サービスを実現する意向だ。
同社では、これらのサービスに対応したモバイル無線LANルーターとして「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」を提供。同端末は、タッチパネル対応ディスプレイを備え、連続駆動時間9時間、非接触充電Qi対応、USB給電可能といった特徴を搭載。3つの通信方式に対応する「最強のルーター」と野坂社長はアピールする。
なお端末展開については、サービス開始時点ではHWD14を用意し、今後も対応端末をリリースする意向。だが、「これまでのようにたくさんの種類がどんどん出てくることはない」と野坂社長は説明。モバイルルーターや家庭用に固定のルーターは提供するとのこと。 また、TD-LTE互換と言うことで、今後TD-LTE対応スマートフォンとしてWiMAX 2+に対応した端末の登場については「期待感は持っている」とコメント。このほか、HWD14がSIMカード対応ということから、今後の端末でもSIMに対応して複数の端末でSIMを差し替えて利用する、といった使い方については「ハードルの高いテーマ。検討課題」としている。
(記事提供:AndroWire編集部)