強化された機能 復活した機能
前半ではハードウェア関連とFinderというMacの基本部分に関する機能強化を解説した。後半でももう少し、システム関連の強化部分を紹介しよう。
まずはOS X Mountain Lionから追加された通知機能はiOSでも採用されているおやすみモードを実装。さらにメッセージやメール、FaceTimeの着信に対してリアルタイムに反応できるインタラクティブ通知になった。これは例えば仕事中に誰かからメッセージがきた場合、これまではいちいちメッセージソフトを起ち上げて反応していたが、インタラクティブ通知の場合は直接通知ポップアップから返事をすることができる。FaceTimeの場合はFaceTimeウインドウが開いて待機されるので、返事をする場合はすぐ通知ボタンを押すだけで良い。
さらにスリープ中に通知があった場合は、再ログイン時のロック画面で右上に通知ポップアップが表示されるようになっている。Webサイトからの最新情報も通知で受け取ることができるが、これにはWebサイト側が対応する必要があり、現在のところ通知を受け取れるサイトは確認されていない。
今回最も機能強化されたのはマルチディスプレイだろう。これまでマルチディスプレイは、メインウインドウとサブウインドウがセットで機能するようになっており、メインのデスクトップを切り替えるとサブも切り替わるようになっていた。これがサブは固定したままでメインのデスクトップだけを切り替えられるようになった。例えばサブウインドウにはメールやTwitterのウインドウを表示したままにして、メインは作業に使うソフトをフルスクリーンで表示してサクサク切り替えて使うという方法が可能だ。
これに伴い、メニューバーはメイン、サブどちらにも表示されるようになり、選択されたウインドウのメニューバーが濃くなるようになった。またDockもどちらのウインドウにも呼び出し可能で、表示したいときはマウスカーソルを画面の下に当てれば良い。
もうひとつ、Apple TVが接続されたテレビをマルチディスプレイとして使えるAirPlayディスプレイが実装された。大画面テレビをサブディスプレイとして使ったり、プレゼン用の環境として簡単に利用できる。
以前、Mobile Meの環境では使えていたネットワーク経由で同期できるキーチェーンが、今回iCloudキーチェーンとして復活した。iCloudの同じアカウントを設定されたMac、iOS機器であれば、Webサイトへのログインパスワード、クレジットカード情報などを共有して必要時に自動的に入力できるようになる。
iOS機器でiCloudキーチェーンを使う場合は、それぞれの端末をiCloudで許可してやる必要がある。
またWebサイトで新しくアカウントを作ってパスワードが必要な場合などに、セキュリティ度の高いパスワードを自動的に生成する機能もある。このパスワードはiCloudキーチェーンが覚えているので、こちらでは入力する必要がなくなる。
ソフトウェアも進化
ソフトウェア類も進化している。まず、iOSで採用されているアップルのマップとiBooksがMavericksにも採用された。
マップはiPhoneのものよりもスムーズで、大画面で表示されるのはとても便利。また検索した履歴やブックマークを残しておくことでiPhoneのマップに表示も可能なので、例えば旅行の計画をMacで立て、iPhoneであとから参照するといった使い方が簡単になる。ただ現状は公共交通機関を使った経路検索に対応していなかったり、Flyoverと呼ばれる3Dビューに対応していないのが残念なところだ(米国などでは対応)。
iBooksもiOSが先行して採用している機能で、アップルが提供する電子書籍iBooksを利用できるソフト。Apple IDを使ってログインすれば、これまでiBooksで購入した本をダウンロードして利用できる。iBooks Storeも利用できるので、電子書籍の購入はMacで、閲覧はiOSでと言った使い方も可能だ。
カレンダーはフラットデザインに変更になり、上下にスクロールして月表示を跨ぐことができるようになった。また予定作成時に場所情報から地図を表示し、移動時間を予測して通知を出すなどの機能もある。
Safariはサイドバーにブックマークが格納され、新たに共有リンク機能ができた。これはTwitterなどSNSのアカウントでフォローしている人たちが投稿したリンクを一覧で表示できるもの。SNSでフォローしている人は自分と同じ興味を持っている人も多く、これらをチェックすることで色々な情報を収集できるはずだ。Top Sites機能も自由にブックマークから入れ替えたりできるようになった。
これ以外にも連絡先やメモがフラットデザインに変更になっていたり、プレビューのツールバーが変わっていたり、内蔵辞書が追加されていたりと細かな部分で変更がある。いずれも改良され、使いやすくなっていることは間違いない。この最新OSはMac App Storeから無料でダウンロードしてアップデートが可能だ。対応機種を持っている方は是非ともインストールして、その先進機能を体験して欲しい。