ローソンは11月1日、雪を冷房に利用する寒冷地特化型の環境配慮店舗を秋田県由利本荘市にオープンする。このような形態の店舗はコンビニエンスストア業界初となるという。

今回オープンする店舗は、店舗全体の電気使用量を2010年度対比で約50%削減することができ、従来の環境配慮店舗の中で最大の電気量削減が可能となる。

同社は毎年、最新設備を導入した環境配慮型の実験店舗をオープンし、省エネ効果の高かった設備を既存店舗にも導入している。今回の店舗では、コンビニエンスストア業界初という「雪貯蔵空調連携システム」および「太陽熱利用暖房システム」を導入し、夏には雪を冷房に、冬には太陽熱で出来た温水を床暖房に使用する。

店舗のイメージ図

同店舗にはこのほか、地下水を予備熱源として利用し、冷暖房の運転効率を向上させる「地中熱利用ヒートポンプ空調」や、発電と蓄電の両方を行い、災害時の停電の際にも電力を使用できる「太陽光発電パネル」を設置。併せて、店舗正面に断熱機能の高いLow-Eガラスを使用したほか、断熱性に優れた屋根材や外壁材により建物全体の断熱性能が向上したとのこと。

照明は全てLEDで、調光制御により消費電力を低減して内部発熱を抑制。冷蔵ケースは、省エネ機能と断熱機能を兼ね備えたものを使用し、結露を防ぐとともにヒーターを制御して発熱を抑える。また、冷蔵ケースのCO2冷媒を利用し、エネルギーの効率化とノンフロン化を図っている。

自然外気冷房型のウォークイン冷蔵ケースを設置し、冬季の外気を取り込んで冷却に貢献。夏季には、雪熱空調時に発生する余剰水を冷凍ケース室外機に噴霧し、運転過多を解消する。さらに、人工知能を導入し、センサーを使って内外環境に合わせた自動制御を行い、店舗全体のエネルギーを効率的に使用するという。 

今後は実験データを、既存店舗への導入や新規設備の開発に活用し、様々な気象状況に対応できる省エネを目指していくとしている。