日本政策金融公庫は29日、2013年7~9月期の「生活衛生関係営業の景気動向等調査結果」を発表した。それによると、2013年7~9月期の売上DIは前年同期比20.3ポイント増のマイナス20.0、利用客DIは同16.1ポイント増のマイナス25.0となり、ともに過去15年間で最も高い数値となった。生活衛生関係営業とは、厚生労働省所管の「生活衛生関係営業の運営の適正化および振興に関する法律」で規定する飲食業、理・美容業、クリーニング業など18の営業を指す。
売上DIを業種別に見ると、最も高かったのはホテル・旅館業で前年同期比20.8ポイント増の3.2。以下、氷雪販売業が同12.7ポイント増のマイナス1.8、映画館が同24.6ポイント増のマイナス2.1と続いた。
利用客数DIの業種別トップもホテル・旅館業で前年同期比28.3ポイント増の10.3。次いで、氷雪販売業が同12.7ポイント増のマイナス5.5、映画館が同9.8ポイント増のマイナス14.6となった。
業況判断DIは前年同期比13.1ポイント増のマイナス16.7。業種別に見た場合、飲食業は前年同期比15.3ポイント増のマイナス15.7、ホテル・旅館業は同12.0ポイント増の10.8となり、過去15年間で最高値を記録した。なお、最も高かったのは氷雪販売業の38.2だが、前年同期より14.5ポイント下落した。
業況判断理由としては、「アベノミクス効果がみられ、ボーナスシーズンでもあり、ゆとりが出てきたようだ」(喫茶店)などのコメントが寄せられた一方、原材料、原油および光熱費の価格上昇による影響を指摘する声が目立った。
来期(10~12月期)の見通しについては、売上DI、業況判断DIともにマイナス14.8と、今期に比べて、それぞれ5.2ポイント、1.9ポイント上昇すると予測している。
また、今回は消費増税に関する特別調査を同時に実施。それによると、2014年4月の消費増税後の売り上げ予測については、「減少する」が56.5%で最多。次は「変わらない」の42.4%となり、「増加する」は1.1%にとどまった。
業種別に見たところ、「減少する」と答えた割合は、クリーニング業の63.0%、飲食業の62.8%が多かった。それに対して、「変わらない」とした割合は氷雪販売業が62.5%で最も多く、次いで、美容業の58.0%、食肉・食鳥肉販売業の47.5%となった。
今後の本体価格(税込前価格)の価格戦略については、「増税前も増税後も変更しない」が61.3%に上った一方、約4社に1社に当たる24.1%が「商品・サービスの付加価値を高めること等により、増税前に引き上げる」と回答した。
消費増税前の駆け込み需要については、「見込める」と答えた割合はわずか3.4%だった。