10月26~27日、東京・港区のスタジアムプレイス青山で、フジヤエービックが主催する「秋のヘッドフォン祭 2013」が開催された。ここでは、ハーマンインターナショナルやゼンハイザージャパンなどの注目製品を紹介しよう。
ハーマンインターナショナル
ハーマンインターナショナルブースでは、10月22日に発表したharman/kardonのオンイヤー密閉型ヘッドフォン「SOHO」を国内初展示。
SOHOは、小型だが質感の高いユーロスタイルのヘッドフォン。ドライバーはφ30mmと小型だが、そのサウンドは、刺激が少なくフラットで、harman/kardonらしいゆったりとしたものだ。
また、10月23日に発表したJBLの「Synchros」シリーズも初展示。「Synchros」シリーズは、スピーカーのウーファーユニットをモチーフにしたデザインを特徴としたモデル。「S700」「S500」「S300」の3タイプがラインナップされており、S700とS500はDSPを搭載したアンプ内蔵ヘッドフォンだ。Synchrosは密閉型のヘッドフォンだが、DSPを搭載することで、電気的に密閉型とオープンエアー型の両方のサウンドを楽しめるようにしたというのが、この2モデル。左側のハウジングに備えられたスイッチを押すと、サウンドを切り替えることができる。
ゼンハイザージャパン
今回のゼンハイザーブースは、ケーブルがメインの出展。新製品のヘッドフォンアンプ「HDVD 800」「HDVA 600」と「HD 800」「HD 700」「HD 650」をバランス接続するためのケーブルで、「CH 800 S」「CH 700 S」「CH 650 S」の3タイプが国内初公開となっていた。
また、2013年8月に発売され、大人向けのスタイリッシュなデザインが好評の「MOMENTUM On-Ear」も展示。ノーマルのMOMENTUMがインドアでのリスニングをメインとした製品だったのに対して、「MOMENTUM On-Ear」は、外出時にも気軽に持って行けるようにサイズを小型化している。
ブースには、全カラーバリエーション7色が並べられていた。
タイムロード
タイムロードブースでは、ULTRASONEの密閉型ヘッドフォン「edition5」を初公開。全世界555台限定で、希望小売価格は493,500円。
edition5は、S-logic EXテクノロジーにより、直接音と間接音の調和させ、3次元的な音の広がりを実現する。そのサウンドは、ヘッドフォンというよりもスピーカーに近い感覚だ。
ハウジングは天然木を使用。ケーブルは着脱式で、コネクタはMMCX。強度を確保するため、コネクタ部分がハウジングの奥に入り込んでいる。
CHORDのDAコンバーター「QuteEX」も参考出展。5.6MHzのDSD、サンプリング周波数384kHzのPCMに対応する。外観は現行モデルの「QuteHD」から変更されていない。
2013年9月に発表したFORCAL PROFESSIONALの密閉型モニターヘッドフォン「Spirit Professional」も展示。左右チャンネルで特性が合うように選別されたφ40mmのマイラー/チタン合金振動板を採用。インピーダンスは32Ωで周波数特性は5Hz~22kHz。ハウジングは鋳物のようなデザインだが、実際には質量225gと軽い。
フォステクス
フォステクスブースでは、24日に発表したDAC&ヘッドフォンアンプ「HP-A4」を展示。HP-A4は、192kHz/24bitやDSDの再生に対応するモデル。
また、RP振動板を採用したヘッドフォンを参考出展。RP振動板は高耐熱ポリイミドフィルムに銅箔をエッチングした平面タイプの振動板だ。「T20RPmk2」「T40RPmk2」「T50」などの密閉モニターヘッドフォンに採用されているが、展示機はオープンエアー型。なお、発売時期などについては未定。
ATOMIC FLOYD
ATOMIC FLOYDブースでは、「PowerJax +Remote」がメインの展示となっていた。PowerJax +Remoteは、デュアル・メタルヴォイスコイル採用したφ13.5mmドライバーを搭載するモデルで、同社のラインナップの中ではもっともリーズナブルな製品だ。
PowerJax +Remoteは、そのサウンドだけでなく、特徴的なブラック/レッド/シルバーのカラーリングが強いインパクトを与える製品だ。2012年に発売された製品だが、2013年度グッドデザイン賞を受賞しており 10月30日より東京ミッドタウンで開催される受賞展「グッドデザインエキシビション2013」会場でも紹介される予定となっている。
iriver - アユート
ヘッドフォン祭では、展示品のヘッドフォンを、ユーザーが持参してきたプレーヤーで実際に試聴するというスタイルを採っているブースが多い。会場内で試聴を行っている来場者を見てみると、プレーヤーがiriverの「Astell&Kern AK120」「Astell&Kern AK100」である率が異常に高い。
ハイレゾ音源に対応したポータブルプレーヤー兼ヘッドフォンアンプという性格の製品だが、ポータブルヘッドフォンアンプをプラスしているユーザーも多いようだ。
さて、アユートブースでは、10月25日に発表した「Astell&Kern AK10」が展示のメインになっている。AK10は、Lightningコネクタに対応した、コンパクトなDAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ。DACチップは、Astell&Kern AK120/100にも採用されているWolfsen製のWM8740で、最大96kHz/24bitまでのハイレゾ音源に対応している。ケーブルはLightningコネクタ用だけでなく、USB用も付属しているため、PCなどでUSB音源として使用することも可能だ。本体サイズはW54×D13.2×H54mm。