東京工芸大学は、全国の4年制大学生800名を対象に「キャンパスライフに関する調査」を実施。合わせて、30~49歳の4年制大学の卒業生200名を対象に比較調査を行った。調査期間は10月2日~8日。
現役学生(800名)が在学中に「注力した」(「とても」+「やや」、以下同様)と回答した課外活動をみると、「クラブ・サークル活動(47.7%)」が最も高く、次いで「学科以外の勉強(資格の取得やダブルスクール)(38.8%)」、「大学のイベント(学園祭など)(34.6%)」、「ボランティア活動(19.7%)」となった。また、4年生は「ボランティア活動(24.5%)」や「インターンシップ(19.0%)」に「注力した」と回答した割合が他学年より高くなっている。
在学期間の違いが回答結果に与える影響を極力取り除くため、在学期間4年目以上の対象者(200名)を"今の学生"、卒業生(200名)を"昔の学生"として、それぞれ比較したところ、"今の学生"が"昔の学生"よりも「注力した」割合が高い活動は「インターンシップ(4年生19.0%>卒業生8.5%)」、「ボランティア活動(4年生24.5%>卒業生14.5%)」、「学科以外の勉強(4年生41.5%>卒業生36.5%)」。このことから、イマドキの学生の"大学の外で経験を積む"課外活動に積極的な様子がうかがえる。
課外活動の理由は「就活」?
現役学生で各課外活動の経験がある人に対し、その活動を始めた際に抱いた気持ちを聞いたところ、インターンシップでは「就職活動でプラスになりそう(42.3%)」や「ためになりそう・役立ちそう(38.5%)」、「視野が広まりそう(29.5%)」、「挑戦してみたい・体験しておきたい(24.8%)」が上位にあがった。
「ボランティア活動」や「学科以外の勉強」においても、これら4つの回答が上位になり、特に「ボランティア活動」では、「役に立ちたい・貢献したい(24.4%)」よりも、「就職活動にプラスになりそう(29.5%)」や「視野が広まりそう(31.4%)」といった回答が多くなっている。
また、「就職活動でプラスになりそう」の割合を、現役学生と卒業生とで比較すると、「インターンシップ(現役学生42.3%>卒業生15.9%)」、「ボランティア活動(現役学生29.5%>卒業生13.1%)」、「学科以外の勉強(現役学生50.6%>卒業生39.3%)」で、10ポイント以上現役学生の割合が高い。これらの活動にイマドキの学生が積極的になった背景には、就職難の影響があったことが予想される。
現役・卒業生が大学で得たものは「友人」「コミュニケーション力」
現役学生に対し、学科の勉強・研究以外の大学生活で得たものは何か聞いたところ、最も多かったのは「友人ができた(64.9%)」で6割にのぼった。そのほか「視野が広がった(44.5%)」、「コミュニケーション力が鍛えられた(34.6%)」、「教養が身についた(26.1%)」が続いており、キャンパスライフを通じ、友人を得ることができたり、様々な考えを取り入れることができるようになったりしたと感じていることが分かった。
一方、卒業生は「友人ができた(76.5%)」や「人格形成に役立った(25.0%)」、「恋人ができた(24.5%)」などの割合が現役学生よりも高く、大学生だった当時を振り返ると、これらの体験の評価がより高まることがうかがえる。
なお、卒業生に大学生のうちに(もっと)やっておけば良かったと思うことは何かを聞いたところ、「学科の勉強(55.0%)」、「学科以外の勉強(53.5%)」など勉強関連の項目が上位となり、「旅行(43.0%)」、「恋愛(29.5%)」、「英会話(29.0%)」、「留学(25.5%)」が続いた。
学科の勉強をしておけば良かった理由として、「社会人になっても、必要な知識だった」(30代男性)や、「学問に取り組めるのは学生のうちだけと実感した」(40代女性)といった後悔のコメントがよせられ、「旅行」や「留学」に関しても、"働き出すとまとまった時間が取れないので学生のうちにすべきだった"という趣旨のコメントが散見された。
同大学では今回の調査結果を受け、「現役学生には、卒業生の後悔を"勉強や研究はもちろんのこと、興味があることには臆せず挑戦すべき"との先輩のアドバイスとして受け止め、生涯の友人ができたり自分の視野が広がったりするような、充実した体験を大学生のうちに経験してほしい」とコメントしている。