厚生労働省は、従業員の主体的なキャリア形成を積極的に支援している10社を、「キャリア支援企業表彰2013 ~人を育て・人が育つ企業表彰~」の厚生労働大臣表彰に決定した。
キャリア育成や働き方の提供など、優れた取り組みをしている10社を表彰
同省では昨年度から、従業員のキャリア形成を積極的に支援し、ほかの規範となっている企業をたたえ、その取り組みを広く周知、普及させることを目的に表彰制度を設けている。第2回となる2013年度は、全国78の企業などから応募があった。審査委員会ではそのうち、従業員のキャリア目標設定を支援するとともに、職業能力開発の機会、キャリア形成につながる働き方の提供など、優れた取り組みをしている10社を選出している。
「栗田アルミ工業」(茨城県土浦市、輸送機器製造業)は、全ての社員を対象に資格取得などの費用を全額会社負担しているほか、実質的に定年を撤廃、外国人を含む期間社員、パートからの正社員化などを実施。また、「COCO-LO」(群馬県桐生市、介護事業)は、自己研鑽の重要性を発信しているほか、様々な能力開発機会の確保、キャリア目標、個人目標の設定の見直しなどが評価された。
「山岸製作所」(群馬県高崎市、金属加工業・精密機械加工業)は、技能教育活動「テクニカルマイスター制度」の推進や認定職業訓練校「ヤマギシテクニカルセンター」の運営により、新人から幹部までの人材育成を実施。「伊藤忠商事」(東京都港区、総合商社)は、専任のキャリアカウンセリング有資格社員がいる「キャリアカウンセリング室」を民間として初設置したほか、女性の海外駐在支援やロールモデルを創出することで、女性社員へのキャリア支援を推進している。
「SCSK」(東京都江東区、情報・通信業)は、有給休暇取得日数20日+平均月残業時間20時間を目標とした「スマートワーク・チャレンジ20」を実施。「大和証券」(東京都千代田区、証券業)は、年2回の自己申告制度、職制転向試験などでキャリアの選択機会を提供しているという。
「原田左官工業所」(東京都文京区、左官・タイル・防水・組積工事業)は、女性の長所を伸ばす育成の仕組みづくりと働きやすい環境整備により、女性職人の育成を推進。「ヒロハマ」(東京都墨田区、製造業)は、定期的な自己申告・面接により、本人の希望を聞きながら配転を行っており、非正規社員の活用や女性が働きやすい職場環境整備への努力を行っている。
「三井住友海上火災保険」(東京都千代田区、損害保険業)は、「目標チャレンジ制度」などによるキャリア目標の設定・見直しや社員自ら希望する業務にチャレンジできる「ポストチャレンジ制度」を採用。また、「希望担当業務」、「フレックスタイム制・シフト勤務制」・「ホームオフィス制度」など、多様性・裁量性のある働き方を実施している。
「サントリーホールディングス」(大阪府大阪市北区、製造業)は、グローバル人材育成とチャレンジする風土づくりを目指し、若手・中堅・リーダー向けの「トレーニー」、「キャリアチャレンジ」、「MBA 留学」、課長・部長向けの「グローバルリーダーシップ研修」などを実施。そのほか、若手従業員が10年で3部署を経験する取り組みや、新入社員へのコーチャー制度導入などで、一人ひとりのキャリア開発をサポートしているという。
なお、職業能力開発促進月間の11月26日に「新宿明治安田生命ホール」(東京都新宿区)で同賞の表彰式を実施する予定とのこと。