10月26~27日、東京・港区のスタジアムプレイス青山で、フジヤエービックが主催する「秋のヘッドフォン祭 2013」が開催された。ヘッドフォン祭、はヘッドフォンとその周辺という、オーディオ全体から見ると狭い範囲のみを扱っている展示会だが、この時期に合わせて新製品をリリースしてくるメーカーもあるほど、影響力の大きいイベントとなっている。
出展している製品数は非常に多く、全てを紹介することは難しいため、同イベントで発表された、あるいは日本国内で初公開された製品を中心に、注目の展示を紹介していきたい。
Monster
完実電気が代理店を務めるMonsterブースでは、最新モデルとして、10月23日に発表した「Inspiration in-ear」と9月26日に発売した「iSport Freedom」を展示。
Inspiration in-earは、カジュアルにもフォーマルにも合わせやすいデザインのイヤホン。遮音性やフィット感、音のバランスが異なるイヤーチップが付属するのも特徴だ。
iSport Freedomは、オーバーヘッド型のワイヤレスヘッドフォンでスポーツ向けという、他にあまりないカテゴリーの製品。汚れにくいイヤーパッドや、本体の防滴仕様など、汗対策も施されている。
SOL REPUBLIC
SOL REPUBLICは2011年にスタートした新鋭ヘッドフォンメーカー。同社のブースでは、10月中旬に発売した「SOL TRACKS」シリーズをメインとした展示を行っていた。
「SOL TRACKS」シリーズは、板状のヘッドバンド部が特徴的なオンイヤー密閉型のヘッドフォン。ヘッドバンド部は軟質ナイロン樹脂で作られており、軽量かつ強靭。力を加えても破損の心配は少ない。また、ヘッドバンド部とハウジング部は分離する。側圧は低めだが、ハウジングの角度調整機構は持っていない。
「SOL TRACKS」「SOL TRACKS HD」「SOL TRACKS ULTRA」の3グレードから構成されており、エントリーモデルのSOL TRACKSは、低域が強めのチューニング。最上位モデルのSOL TRACKS ULTRAはバランス重視のチューニングとなっている。
価格はすべてオープンで、推定市場価格は、SOL TRACKSが10,000円前後、SOL TRACKS HDが13,000円前後、SOL TRACKS ULTRAが14,000円前後だ。
NuForce
デスクトップオーディオ向けのアンプ「ICON」シリーズやDACなどで知られるNuForce。同社のブースでは、2013年6月に発売したDACヘッドフォンアンプ「UDH-100」などと並んで、開発中のイヤホンが参考出展されていた。
参考出展されているイヤホンは、バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを4基搭載したモデル。まだプロトタイプで、これから音質面なども含めてチューニングを行い、年内の発売を目指しているという。
4ドライバー搭載モデルとしては小ぶりなハウジングで、BAドライバーらしいシャープなサウンドが楽しめる。価格はまだ未定だが、5万円オーバーになるらしい。
ラトックシステム
USB DACなどで意欲的な製品をリリースしているラトックシステム。同社のブースでは、アユートが国内代理店を勤めているiriverの「Astell&Kern AK120」「Astell&Kern AK100」専用ヘッドフォンアンプ「REX-KEB02AK」が参考出展されていだ。
REX-KEB02AKは、バランス伝送タイプのポータブルヘッドフォンアンプ。Astell&Kern AK120/100を改造しているユーザーのために、同軸入力を装備するなど、こだわりの仕様だ。まだ開発中のため、バッテリーでの駆動時間などスペックは未定となっているが、年内の発売を目指しているという。価格は50,000円前後になる予定。
また2013年10月に発売したUSBオーディオキットも展示。主要部品が実装済みのキットだが、マニュアルに特徴があり、回路図だけでなく、コンデンサーの交換やS/PDIF出力の追加などの改造についても言及。デジタルオーディオの入門用としても面白い製品だ。