アサヒビールは、ビールテイスト清涼飲料である「アサヒドライゼロ」を9月にクオリティアップした。クオリティアップを経て、カロリーと糖質がゼロになったとのこと。その狙いは何なのか、実際に味はどう変わったのか、味覚設計で工夫したことは何なのか、アサヒビールを取材した。
商品詳細
「アサヒドライゼロ」は、アサヒビールから発売されたノンアルコールのビールテイスト清涼飲料。アルコール度数は0.00%で、カロリーゼロ、糖質ゼロが特徴。なお、栄養表示基準に基づき、100ml当たりのエネルギーが5カロリー未満をカロリーゼロとし、また、同じく100ml当たりの糖質0.5g未満を糖質ゼロと定義しているとのこと。
同商品のラインナップは500ml缶、350ml缶、334mlビンで、希望小売価格は設定していない。全国で販売中。
アサヒビールを取材した
今回行われたクオリティアップの背景を、アサヒビールの技術開発推進部・山下博司氏、マーケティング第一部・吉岡孝太氏に取材した。
――今回、アサヒドライゼロは「カロリーオフからカロリーゼロ」へとクオリティアップされましたが、その目的を教えてください。
「ノンアルコールビールテイスト清涼飲料飲用者で、カロリーゼロや糖質ゼロを重視する層が年々増加しております。そうしたお客様のニーズにお応えすることが目的でした」(吉岡氏)
――また、糖質も今回ゼロになっておりますが、その際に行った味覚設計の工夫点を教えてください。
「今回のクオリティアップでは、これまでの商品開発を通じて培ってきた様々な技術を総動員しています。その際、原材料の種類や配合等を見直したことで、糖質ゼロでありながら、ビールらしい味わいを実現することに成功しました。
また、ドライな味づくりに大変苦労致しました。特許申請中のため製法についてはお伝えすることができませんが、期待以上の商品を実現するために、お客様にビールらしいと感じていただける成分を徹底的に分析して、様々な原料を用いてドライな味に仕上げました」(山下氏)
――クオリティアップでは、カロリー・糖質ゼロの実現とともに「泡持ちのよさ」も実現されているとうかがいました。その狙いを教えてください。
「お客様に調査を行ったところ、"思っていたよりも、ビールテイスト清涼飲料の泡はあまりクリーミーではない"という不満の声を頂きました。これは現行のアサヒドライゼロはもちろんのこと、各競合ブランドのビールテイスト清涼飲料全般においての不満でした。また、"泡がすぐに消えてしまう""泡立たない"といったネガティブなイメージをお客様が持っていることもわかりました。そこで今回のクオリティアップでは、缶体にてクリーミーな泡を訴求し、実現するに至ったのです」(山下氏)
――ノンアルコール飲料は女子会、ママ会などで重宝されると話題ですが、アサヒドライゼロは主にどういう層をターゲットとされていますか?
「アサヒドライゼロは、ノンアルコールビールテイスト清涼飲料に「ビールらしい味わい」を求める層をターゲットに開発しております。女子会やママ会で重宝されるのも、とてもうれしいですね」(吉岡氏)
――ありがとうございました。
実際にアサヒドライゼロを飲んでみた
今回の取材に当たり、クオリティアップ前と後のアサヒドライゼロを頂き、実際に試飲してみた。
クオリティアップ前のアサヒドライゼロをコップに注いでみると、泡はしっかり立つもののものの、ふと気がつくと消えてしまった。飲んでみると、軽い口当たりでフルーティーな味わい。酸味が少々強く、泡はさっぱりとしていた。
クオリティアップ後のアサヒドライゼロをコップに注ぐと、確かにクオリティアップ前のものよりも泡立ちがよく、消えにくいという特徴があった。泡はクリーミーで濃厚な味わい。クオリティアップ前のものに比べると、辛口であると感じた。
今回試飲したアサヒドライゼロは、以前のものよりもビールに近くなっており、女子会やママ会で喜ばれるのはもちろんのこと、休みの日に子育てするお父さん達など、幅広い層に重宝されるだろう。クオリティアップを経て、カロリーも糖質もゼロになり、一度試してみる価値はありそうだ。