2020年夏季に東京でのオリンピック・パラリンピック開催が決まった。ジュニア選手から全日本クラスの選手までが一堂に集う東京都・北区の「味の素ナショナルトレーニングセンター」では、夢の祭典への出場を目指し、多くのアスリートが毎日、厳しい練習に励んでいる。体育の日の10月14日、そのアスリートたちの胃袋を支えている食事を特別に試食できる機会に恵まれたのでレポートする。
アスリートを育てる食事プログラム"勝ち飯"
味の素ナショナルトレーニングセンター(トレセン)は、国内トップレベル競技者の総合的な国際競技力向上を図るトレーニング施設。トレセンのアスリートヴィレッジ内にある栄養管理食堂「SAKURA Dining」は、同施設で練習をするアスリート向けの食堂となっている。2012年ロンドン五輪の男子200メートルバタフライで銅メダルなどを獲得した松田丈志選手も同食堂の愛用者だ。
今回は、10月14日に開催されていた「スポーツ祭り2013」の催しの一環として、日本オリンピック委員会(JOC)と味の素が共同で展開している栄養プログラム"勝ち飯"を一般親子らとともに体験試食できる機会があったため、参加してきた。
勝ち飯とは、アスリートの勝てる体作りにつながる食事の仕方や栄養摂取の方法をわかりやすく実践するためのプログラムで、当日は同食堂の管理栄養士である古川由佳さんが"目的に応じた食事"の重要性を子供たちに説明。子供たちは真剣な面持ちで聞いていた。
理想の食事がわかるランチョンマット
"目的に応じた食事"の重要性を理解したら、いよいよその実践だ。食堂内では主食から主菜、副菜、汁物、さらにはデザートに至るまで10種類以上のメニューが用意されていた。これだけあると、何を選んだら良いのか迷うが、そんなときのために特製のランチョンマットがトレーの上に敷かれている。これには主食、主菜、副菜(汁物)、副菜(小鉢)×2、牛乳・乳製品、果物といった7種類のイラストが書かれており、このイラストに従ってトレーの上を埋めていけば、自然とバランスが取れた食事になるというわけだ。
これをベースに、自分の練習メニューを考慮して料理をプラスしていく。持久系の練習を食後にするのであれば炭水化物を多めに摂取したり、筋力系のメニューをこなした後であればたんぱく質を多く含んだメニューをプラスしたり、といった具合だ。小学生アスリートでも、7つのイラストにそった上で、今の自分の体の状態に合ったメニューを加えているという。
次回は記者が実際にメニューを選択して、勝ち飯を体験した様子をレポートする。