日本語が話せない外国人患者をこれまでに受け入れたことがあるか

先端医療推進機構は都内に100床以上を有する病院を対象に、「外国人患者の受け入れ実態」についての調査を実施。57病院(1万8,641病床相当)から回答が寄せられた。

6割以上が外国人患者の受け入れ経験あり

最初に、日本語が話せない外国人患者をこれまでに受け入れたことがあるか尋ねたところ、54病院のうち65.5%が「ある」と回答した。外来を受診する外国人の患者数について聞くと、「100人未満」が最も多いが、次に「1,000人以上」と回答する割合が多く、一部の病院に外国人患者が集中している傾向が読み取れる。

上記で外国人患者を受け入れていないと回答した病院を対象に、今後の外国人患者の受け入れについて尋ねると、最も多い回答は「対応できる言語は受け入れ、できない言語なら受け入れない」(47.4%)だった。外国人の患者に対応する際、必要度が高い外国語は「英語」が最も高く、続いて「中国語」「韓国語」となっている。

今後の外国人の患者の受け入れについて

続いて、外国人患者への対応のためにどのようなことを行っているか聞くと、「院内の表示を外国語で表記」「外国語ができるスタッフの雇用」と回答する割合が多かった。一方、「スタッフへの語学研修実施」や「ス タッフの海外派遣・派遣費補助」に取り組む病院の割合は少ない。

外国人の患者への対応のために、どのようなことを行っているか

外国人の患者対応に対する現状評価を聞くと、79.5%が「十分対応できていない」と回答した。その理由について、「入院した場合、患者や家族との対話が十分にできない」「英語以外の患者が増加し、対応ができない」「患者の来院に際し、即座に対応することが難しい」など、外国語ができるスタッフの不足を挙げている。

外国人の患者対応に対する現状評価

一方、十分対応していると回答した病院は、「医師・看護婦ともに英語が話せる」「外国人患者対応部署があり、対応の専任者がいる」「英語以外の言語については外部の通訳サービスを使っている」などと回答している。