10月11日より発売となったLGエレクトロニクス製のスマートフォン「G2 L-01F」。NTTドコモの冬春モデルの第一弾として提供された同製品は、グローバル市場でLGのフラッグシップモデルとして評価を得ている「G2」の日本向けモデルだ。さっそくG2 L-01Fの実力を検証してみたので紹介しよう。

G2 L-01F。本体幅ギリギリまで画面が迫った狭額縁設計を採用する

薄型、狭額縁の大画面スマートフォン

「G2 L-01F」のディスプレイサイズは、最近のスマートフォンに比べて少し大きい5.2インチ。もちろんフルHD解像度で、LGが得意とするIPS方式のディスプレイを採用している。大型・高解像度の液晶は、どの位置から見ても色が変わらず、どういう角度で使っていても見やすい。

大型液晶ながら、本体サイズを最小限に収めているのも特徴。本体横幅ギリギリまでディスプレイを広げた狭額縁設計によって、139(L)×71(W)×9.2(D)mmのコンパクトサイズを実現している。

G2 L-01Fを持つとサイズ感がおわかり頂けるだろう

デザイン上の特徴としては、前面と側面にハードウェアボタンがなく、フラットでシンプルな外観となっている点。音量上下キー、電源ボタンといったボタン類は背面にまとめられ、新しい操作コンセプトインタフェース「Rear Key」として提供されている。このRear Keyは、本体を握ったときに、人さし指がすぐに手の届く位置に設置されている。

本体背面には「Rear Key」が設置されている

電源ボタンを押すときはこうした状態になる

本体側面。ボタンはなく、マイクロSIMスロットがあるだけ

本体上部にはワンセグ用のアンテナ。黒い小さな丸は赤外線ポート。下部にはイヤホン端子やUSB端子がある

自分好みのカスタマイズが可能

Rear Keyの採用により、側面に一切キーがないG2 L-01F。本体をデスクの上などに置いた状態でディスプレイを点灯させたいときなどは、わざわざ端末を持ち上げて、背面に指を回してRear Keyを押す、という動作が必要になる……と思うかも知れない。

だが、「ジェスチャー機能」の中の「ノックオン」を利用することで回避可能。画面を2回タップすると画面のオンオフできるのだ。この機能により、G2 L-01Fをデスクなどに置いたままでも各種操作が行える。

ジェスチャー機能はこのほか、着信時にG2 L-01Fを顔に近づけるだけで応答できる「アンサーミー」、画面に顔を向けている間は画面を消灯させない「スマートスクリーン」、顔が検知されないとビデオの再生を一時停止する「スマートビデオ」といった操作が可能。さらに、机の上に置いた状態で着信したときに、端末を持ち上げると着信音がフェードアウト、裏返すと着信音が止まる、といった操作できる。

「ノックオン」設定をオンにしておけば、簡単に画面のオンオフができる

スマートスクリーン/ビデオの設定

このほか、画面下部にあるAndroid標準の「戻る」や「ホーム」ボタンをカスタマイズすることもできる。画面下部のフロントタッチボタンをカスタマイズできるのは珍しい

通知パネルのカスタマイズも可能。中段の「Qスライドアプリ」を使えば、通知パネルに動画プレイヤーやWebブラウザなどのアプリのショートカットを配置できる

高画質での撮影も、楽しく撮影できる機能も搭載したカメラ機能

裏面照射型CMOSセンサーを採用した1,320万画素の高性能カメラも搭載する。レンズにサファイアガラスを使用し、画質にも配慮したほか、光学式の手ブレ補正(OIS)機能を搭載している点が特徴だ。OIS機能は、暗いレストランや夜景撮影時など、光量が足りずにシャッタースピードが遅くなるシーンに有効で、高感度撮影に比べて画質への影響を最小限に抑えることができる。

光学式手ブレ補正機能付のカメラ

このほか、9点オートフォーカス(AF)やカメラが自動的にシーンを判別して最適な設定で撮影する「インテリジェントオート」なども搭載。2枚撮影した画像を合成し、その中から動きのある物体だけを消去する「ショット&クリア」、シャッターを押す1秒前から連写し、その画像の中からベストショットを選択できる「タイムキャッチショット」、アウトカメラとインカメラを使い、被写体と撮影者を1枚の画像として同時に記録する「デュアルカメラ」といった機能も利用できる。

9点AFをサポートし、複数の被写体にもピントが合わせられる。表示されているAFポイント外でも画面にタッチすれば、その場所でピント合わせが可能

さまざまな撮影モードを搭載する

ショット&クリアの例。2枚の撮影の間に移動していた物体を認識し、それを削除できる

撮影者を同時に撮影できるデュアルカメラ

便利なアプリケーションも搭載

「G2 L-01F」は、さまざまなシーンで使える便利な独自アプリケーションも搭載。画面キャプチャを撮って、そのまま画面に手書き入力できる「Qメモ」、本体上部にある赤外線を使って、家庭の電化製品のリモコンとして利用する「Qリモート」といったアプリが利用可能だ。

Qメモは、画面メモを取得すると同時にすぐさま手書きメモが取れる

一時的にキャプチャだけを消して、手書きメモを見ながら操作できる

各種リモコンを設定できるQリモート。主要なメーカーはあらかじめ登録してある

リモコンは複数設定でき、通知パネルから素早くアクセス可能

ベンチマークテストでパフォーマンスをチェック

ここまでG2 L-01Fが搭載するさまざまな機能を紹介してきたが、端末の基本スペックも充実している。チップセットはSnapdragon 800で、CPUは2.3GHz駆動のクアッドコアプロセッサを採用。内蔵メモリは2GB/32GB(RAM/ROM)で、 現行スマートフォンとしては最高クラスのスペックとなっている。

実際にベンチマークアプリを使用してパフォーマンスをチェックしてみたので、その結果を紹介しよう。使用したアプリは「Quadrant Professional 2.1.1」「AnTuTu Benchmark 4.0.3」「3DMark Ice Storm Extreme」の3種類だ。

■ Quadrant Professional 2.1.1
CPU 45489
Memory 14334
I/O 12457
2D 603
3D 2108
Total 14998
■ AnTuTu 4.0.3
Score 27678
UX Multitask 4788
Dalvik 3352
CPU CPU integer 2367
CPU float-point 2507
RAM RAM Operation 1041
RAM Speed 2229
GPU 2D graphics 1591
3D graphics 7731
IO Storage I/O 1402
Database I/O 670
■ 3DMark Ice Storm Extreme
Ice Storm score 9590
Graphics score 10535
Physics score 7299
Graphics test 1 55.6fps
Graphics test 2 38.9fps
Physics test 23.2fps

ベンチマークによる結果を見る限りは、パフォーマンスはトップクラス。3DMarkのスコアでは、iPhone 5sの9758に匹敵するスピードが出ていた。実際、使っていてもパフォーマンスの高さは随所に感じられる。日常の利用で引っかかりを感じる印象もなく、Snapdragon 800のパフォーマンスがきちんと発揮されているようだ。

*  *  *

G2 L-01Fは、現行スマートフォンでトップクラスの高い性能を備えた端末だ。この高性能スマートフォンに、「LGが考える使いやすさを追求したさまざまな工夫」を盛り込んだ点がG2 L-01Fの最大の特徴と言えるだろう。

本稿で紹介した「アンサーミー」「スマートスクリーン」などのジェスチャー機能や通知エリアのカスタマイズ機能など随所に盛り込まれた工夫が便利で、使いやすい端末に仕上げられている。本稿を読んで興味を持った人は、キャリアショップや量販店で実機に触れてみると良いだろう。