阪急阪神ホテルズは22日、運営する一部のホテルやレストランで、メニュー表示と異なる食材を使用して客に料理を提供していたと発表した。近年の食品表示に関する問題の広がりを受け、社内調査を行ったところ、今回の問題が判明したという。
メニュー表示と異なる食材を使った料理を提供していたのは、大阪新阪急ホテル、宝塚ホテル、六甲山ホテル、ホテル阪神、京都新阪急ホテル、ホテル阪急インターナショナル、第一ホテル東京シーフォート、吉祥寺第一ホテルの8ホテル、および同社がホテル外にて運営している「パティオ」(大阪市立大学病院内)などレストラン4店舗。
これらの施設では、「ビーフステーキ」と表示しながら「牛の脂を注入した牛肉」を使用したり、「鮮魚」と表示しながら冷凍保存した魚を使用したりするなど、47の料理でメニューの表示と異なる食材を使っていた。
同社は問題が起きた原因について、各ホテル・事業部において、メニューを作成する調理担当、食材を発注する発注購買担当、メニュー表示を担当するレストラン・宴会(サービス)、 食材納品仕入業者との間で情報伝達と連携に不備があったと説明。その結果、メニューを新たに作成・変更する際、メニューブックなどの表示へ反映を行う作業過程に遺漏が生じたという。また、景品表示法・JAS法の理解不足、知識不足により、表示についての認識も誤っていたとしている。
今後は再発を防ぐために、各担当者や仕入れ業者との間で情報伝達を厳密にするとともに、使用食材と表示を相互にチェックする体制を強化する。また、景品表示法・JAS法に関する社内講習会を実施し、従業員の知識向上およびメニュー表示に関する重要性を認識させるという。なお、当該施設で食事をした人に対しては、利用状況を確認した上で料金を返金するとしている。