消費税や住宅ローン金利のアップで、「マイホーム購入」は気になるキーワード。そんな中、将来の子供部屋を他人に間貸しできるタイプのマンションなら、子供については様子見で間取りが確定できない新婚世代にも、マイホーム購入が身近になるかもしれません。
家賃収入でローン負担を軽減
「新婚世代で一番多いのは、同じ額の住居費を払うなら、賃貸より分譲の方がグレードの高い部屋に住めるという理由で、間貸しできるプラン(以下、リッチライフプラン)を選び購入される方ですね」。そう話すのはリッチライフ開発部の石田智寛さん。同社は2002年に間貸しできるプランの販売を開始し、既に約370戸を販売しています。
例えば、同社物件78.45平方メートル4,180万円を購入し、頭金280万円、銀行ローン3,900万円、金利1.6%35年返済で試算してみましょう。2LDK57.50平方メートルを夫婦で使い、1K20.95平方メートルを賃貸に出します。
知っておいてほしいのは、この場合、銀行審査においては、住宅ローンが月額12万1,331円組める年収(収入)や資産が必要だということです。家賃収入をあてにして、住宅ローンの月額支払い能力が6万円という場合には、当物件の購入は難しいと判断されます。「あくまでマイホームを買い、その一部を間貸しするというイメージです」と石田さん。
電気などのメーターも各戸に1個ずつ
ただ、昔の「間貸し」と違うのは、各戸のプライバシーが完全に守られている点です。リッチライフプランでは、オーナーと貸借人それぞれに玄関があり、集合郵便受けも2カ所あります。また、電気、水道、ガスのメーターも各2個ずつ設置されます。
将来、2戸を1戸として使う場合のために両戸の内部にドアが1カ所ありますが、そのドアは防音・防火に優れ、ドアの表面に着脱式家具を取り付けることができるそうです。「ここのドアは存在をあらかじめ案内していないと、お客様はまず気がつきません」(石田さん)。
35年一括借り上げするプランも
間貸しをするとなると、気になるのは「賃貸人が入ってくれるかどうか」という点です。「建物賃貸事業の長期安定経営をご提供します」と言うのは、大東建託の戦略室・伏見幸浩さん。賃貸住宅業で実績のある同社が手がける初の分譲マンションは「アジャストマンション」といい、住居の一部を第3者に貸し出せるタイプとなっています。通常の2LDKマンションに専用玄関や台所を備えた1Kを1~2部屋組み合わせた間取りです。
希望すれば、貸し出す部屋を35年一括借り上げをしてもらうことも可能。入居者が退去した際に、原状回復費用は大東建託が負担し、オーナー側の負担は発生しないそうです。
ひと昔前は、住み替え前提であれば賃貸でしたが、分譲でも「今の家族」の形にフィットした住居を選べるようになりました。上手に選んで、無駄な住居費は削減したいものですね。
筆者プロフィール : 楢戸 ひかる(ならと ひかる)
1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。中学生と小学生の男児3人を育てる主婦でもある。家事生活をブログ「家事マニア」にて毎週火曜日に更新中。