リサーチ・マーケティング事業を行うアイシェアは、全国の20代から40代の女性500名を対象に「ダイエットと間食に関する意識調査」を実施。それにあわせて、金沢医科大学病院 管理栄養士の中川明彦氏による専門家の立場での調査結果に関する解析とダイエットと間食の関係性についての提言を紹介している。
ダイエット成功者の約9割が間食経験あり。間食上位はチョコレート、おせんべい類、大豆食品など
テレビや雑誌などでも連日、多種多様なダイエット方法が特集されているが、ダイエットの経験について聞いたところ、73.8%がダイエットを経験していると回答。ダイエット経験者369名に対して、ダイエットの方法について聞いたところ、何かの食材を限定して食べる、または抜くなどの「食事制限系ダイエット」が66.7%、ランニングやバランスボール等の「運動系ダイエット」が26.2%となり、食事を制限するダイエット方法が主流であった。
また、ダイエットが成功したかどうかについて聞いたところ、87.0%が「成功した」と回答しているが、ダイエット中に我慢出来ず間食などをしてしまったことがあるかという問いには、88.1%が「間食した」と回答。絶食や特定の食材しか食べない、または特定の食材を抜くなどの食事制限が主流な中、間食の有無がダイエット成功経験に影響するかの解析を行ったところ、間食をしていたがダイエットに成功した割合が87.7%、間食をせずダイエットに成功した割合が86.4%と、間食をしないダイエットよりも、間食をしたダイエットのほうが成功率が高いことがわかった。
なお、ダイエット中に間食したものについて聞いたところ、もっとも多かったのが「チョコレート」(43.4%)で、以下「おせんべい類」(28.0%)、「大豆系食品」(12.9%)などが続いている。
今回の調査結果に関する金沢医科大学病院 管理栄養士の中川明彦氏による解析と提言は以下のようになっている。
金沢医科大学病院 管理栄養士 中川明彦氏による解析と提言
■ダイエットに極端な食事制限はNG
「まずダイエットという観点で、1日3食の食事を一回に減らすなど、極端な食事制限は好ましくありません。逆に空腹状態が長く続くことで"ドカ食い"に繋がったり、次の食事で不足していた栄養分を体が吸収しようとして余計太る原因に繋がる可能性があります。よって、ダイエットと間食について言えば、極度の空腹状態にならないよう一時的に空腹を軽減させる程度の間食であれば有効と言えますが、やはり間食する時間や量、食材によって体への影響は異なるのです」
■間食に有用な栄養素は「たんぱく質」と「食物繊維」
「間食に有用な栄養素では、たんぱく質と食物繊維が有効です。体の細胞をつくる栄養素であるタンパク質を合わせて摂ることも重要です。食物繊維については食後の満腹感を向上させ、お通じなどにも良いです。また、単に間食時に満腹感だけではなく、体をつくる栄養素であるタンパク質を合わせて摂ることも重要です」
なお、調査結果にある「おせんべい類」や「チョコレート」については、「体のエネルギーにはなりますが、余った糖質が脂肪として蓄積され、普段の食事をバランス良く食べている方にとっては過剰なエネルギー摂取となります」とコメントしている。
■たんぱく質を間食から効果的に摂取
「一方、大豆系食品には、タンパク質が多く含まれており、これは体の細胞を作り、特に植物性たんぱく質の摂取不足の傾向の方や体型が気になる方にとって間食に向いていると言えます。大豆製品に含まれるたんぱく質は、必須アミノ酸[体内で合成できないたんぱく質成分]を多く含むため、良質なタンパク質と言えます。一般的な健常者では、標準体重1kgあたり1.0~1.2g/日/kgのたんぱく質が必要です。例えば、体重60kgでは、1日あたり60g~70gになります。現代の日本人に不足しがちなたんぱく質を間食から効率的に摂取することは今後も重要だと考えます」
中川氏は今回の調査結果を受け、「ダイエットの際は無理な食事制限などはせず、しっかりとした食事と栄養面を考慮する事が大事と言えるでしょう」とまとめている。