ヤマハは、「VOCALOID」の歌声と伴奏から構成される楽曲を自動生成する技術「VOCALODUCER(ボカロデューサー)」を開発した。2013年冬から、コンテンツプロバイダー向けにSaaS形態での提供が開始される。

「VOCALODUCER」のシステム構成図

「VOCALODUCER」は、50文字以内の歌詞を指定すると、「VOCALOID」の歌声と伴奏からなる"ボカロ曲"(2~8小節程度、MP3形式)を自動的に生成できる技術。リズムパターン、音高の変化、コード進行それぞれに用意された「テンプレート」を指定することで、約1万8,000通りのメロディーの生成を実現する。今後はさまざまな「テンプレート」を追加で開発するほか、3種類の「テンプレート」の組み合わせをグループ化したものを選択することで、ラップ風、ロック風、有名アーティスト風といったメロディーラインを簡単に生成できる機能の追加や、現在対応している日本語のほか、英語や中国語への対応なども行う予定となっている。

伴奏の曲調は、ポップス、ロック、ダンスなど約30種類のスタイルの中から選択。伴奏についても、メロディーとおなじくさまざまなスタイルを追加する予定という。伴奏再生用の音源は、当社で定評を得ているハイエンドのアレンジャーワークステーションなどで使用されている音源をもとに開発したソフト音源から選択できる。

そのほか、歌声は「VOCALOID」の豊富な歌声ライブラリから選択する。歌い方に関するパラメーター(ジェンダー、ダイナミクス、ピッチなど)も指定可能だ。楽曲全体のテンポ(BPM)を事前に指定したり、完成した楽曲全体にリバーブやコンプレッサーなどのエフェクトを適用したりすることもできる。

ちなみに、同社はすでに歌声を生成可能なSaaS型サービス「NetVOCALOID」をリリースしているが、これは歌詞とメロディーに関するシーケンスデータをインターネット経由で同社のサーバーに送って運用するもの。歌声は自動生成されるが、メロディーや伴奏に関してはコンテンツプロバイダーが用意する必要があった。

なお、10月23日~25日に開催される「Web&モバイル マーケティングEXPO 秋」にて、同技術を用いたサンプルウェブアプリケーションが参考出展されるということだ。