コミュ力を上げるには、人のせいにしないこと!

自分はうまく話したと思ったのに、相手に伝わってなかった! テクニックがあれば、うまくいくのに…と思う方も多いかもしれない。今回は、話すときに大切なことを、フリーアナウンサーの牛窪万里子さんにお伺いしました。

本当に大事なのは、テクニックよりも話す中身

牛窪さん:
最初にお伝えしておきたいこと。よく「話し方」を習いたいと言われるのですが、実は「話す中身を持っているのか」の方が大切なんです。自分のことを話すにしても、企画などについて話すにしても、1番は話の骨子がしっかりしていることです。テクニックは大事なのですが、発信するものがないとだめなんですよね。

結論を明確に、エピソードを盛り込む

「相手の反応は、自分のコミュニケーションの成果」と牛窪さん

テクニックで言えば、結論を明確にするということが大切です。結論は最初と最後に、両方行ってしまう方が印象が強くなります。「まず今日はこの話をします」と最初に宣言することで、聞いている方も覚悟が決まります。構え方が違ってくるんです。

さらに話を進めるときには、必ずエピソードを盛り込むこと。具体例がないと、相手には印象が残らないんです。例えば面接で「大学時代こんなことをしてきました」と言っても、それだけで終わってしまいますよね。人が一番ひきつけられるのは、具体的なエピソードです。

一生懸命話しても伝わらなかった…悪いのは本当に相手なの?

話し方については、人それぞれ悩みがあると思います。私が今まで講演の中で、「相手の反応が、自分のコミュニケーションの成果である」というテーマを話すと、はっとされることが多かったですね。

相手の反応が悪いと、「自分は一生懸命話してるのに」「相手の吸収力や理解度がだめだ」と思いがち。でも、人によって考え方や価値観が違うのだから、Aさんに伝わった話が、Bさんに伝わるとは限りません。伝わらないのであれば、相手に合わせて話し方や構成を変えなければいけないですよね。「相手が悪い!」ではなく、自分のコミュニケーションの取り方のどこが問題なのか、振り返らなければいけないと思います。

みなさん受け止め方が違いますので、「わからない人もいる」ということを前提に話すしかないですよね。「わかってくれる」という前提で話すと、伝わらなかったときにとがった気持ちになってしまいます。どこがわからないのか聞いて、相手の様子を見ながら、自分で話し方を変えていきましょう。


牛窪万里子
元NHKキャスター、フリーアナウンサー、メリディアンプロモーション代表取締役。サントリーに勤務した後、フリーアナウンサーに転身。NHK「おはよう日本」、「首都圏ネットワーク」、テレビ東京「レディス4」などでリポーターとして活躍する。また、自身が代表を務めるメリディアンアナウンススクール講師としても活動。著書に『初対面の相手も、おもわず本音をもらすアナウンサーの質問レシピ』(総合法令出版)、『見るだけ30分!! あなたに合った「聞く」「話す」が自然にできる!』(すばる舎)など。