英語でコミュニケーションを取る相手は、英語を母語とする人たちだけではありません。アジア圏の人は、母語のアクセントが出てしまって聞き取りにくいということも。そんな場合のコミュニケーション方法について、アルクで英語学習のアドバイザー育成に携わっている佐々木富恵さんに聞きました。
■テレビ会議、発音が聞き取りにくく追いつけない!
佐々木さん:
日本では、東アジアや東南アジアの支社と同じ地域として統括している企業もあり、英語での会議も少なくありません。それがテレビ会議の場合、対面で話をするよりも発音が聞き取りにくく、早口で話されてしまうとわからなくなってしまうという声をよく聞きます。
日本人も「R」と「L」など、使い分けが苦手な発音がありますが、ネイティブスピーカーも理解するのに苦労しているのでしょうか?
長年日本に住むアメリカ人に聞いたところ、「日本人のクセがわかっているので、コミュニケーションに問題はない」ということです。つまり、相手のクセに慣れることが一番の解決策。同じオフィスの同僚ならば、アフター5に食事に誘うのもいいでしょう。とにかく会話量を増やし、慣れていくことです。
それが難しい場合は、ICレコーダーで会議の内容を録音し、聞き取れなかったところを何度も聞いてみることをおすすめします。クセや発音に慣れることができるようになるでしょう。
■グローバル時代ならではの勉強法
インターネットを活用する方法もあります。例えば、インターネットラジオで相手の国の英語放送を聞いたり、Youtubeで投稿を見たり。英語発音のクセだけでなく、文化もわかり、コミュニケーションの助けにもなります。
以前、フィリピンでどうしてもわからない単語に苦労したことがありました。途中までは理解できるのに、その単語が出てくると、否定的な言葉なのか、肯定的な言葉なのかもわからず、意味がわからなくなってしまうのです。辞書で調べても出てきません。
自分のリスニング力のなさに落ち込みましたが、あとで聞いたら、日本語の「でしょ?」「○○だよね」といった、「you know」のような意味の母語が入っていたのです。相手は無意識のうちに使っていたと言っていました。
英語が公用語になっている国でも、その国独自のなまりやアクセント、クセなどがあるもの。相手がnative speakerだろうがなかろうが、わからない単語がでてきたら、臆することなく聞くことが大切ですね。
<取材対象者プロフィール>
佐々木富恵
アルク英会話事業部ESACチーム(ESAC人材育成トレーナー)。学生時代、海外に行きたいという思いからESSサークルに入り、英語学習を本格的にはじめる。現在は、ESACというアルクが認定する英語学習のアドバイザー資格取得のサポートをしている。