JR西日本はこのほど、山陰本線益田~須佐間と山口線津和野~益田間の運転再開を発表した。山口線では、新山口~地福間でSL列車も運転再開される。
島根県西部・山口県北部では、7月28日および8月24日に発生した集中豪雨にともない、山陰本線、山口線、三江線の一部区間で橋りょうが流されるなどの大きな被害が生じた。現在は山陰本線奈古~益田間、山口線地福~益田間、三江線浜原~江津間にて、バスによる代行輸送が実施されている。
これらの区間のうち、山陰本線益田~須佐間は11月9日の始発列車から運転再開され、普通列車8往復が運行されることに。代行バスの運行区間は須佐~奈古間となり、同区間の代行バス(1日8往復)はすべて須佐駅・奈古駅発着の列車と接続を取る。山口線津和野~益田間は11月16日の始発列車から運転再開され、特急「スーパーおき」は3往復とも津和野駅発着に。その他、普通列車8往復が設定される。代行バスは地福~津和野間で下り9本・上り8本の運行となる。
山口線新山口~地福間では、7月28日の集中豪雨以降、運転取りやめとなったSL列車も運転再開。11月2・3日の2日間、「SLがんばろう山口・津和野」号(レトロ客車5両)が運行されるほか、12月21日に「SLクリスマス」号(レトロ客車3両)、1月1~3日に「SL津和野稲成」号(レトロ客車3両)が登場。いずれもレトロ客車(全車指定席)とC56形、DD51形が使用され、新山口駅を10時48分に発車し、地福駅に12時14分に到着する。
山陰本線・山口線一部区間の運転再開は10月定例社長会見でも言及され、山口線に関して、「信号機やポイントを制御するCTCケーブルが橋りょうの流失などにより寸断されておりますが、他の線区に敷設している既存ケーブルを迂回して遠隔制御を行います」と発表。残る不通区間も各自治体の協力の下、運転再開に向けて全力で取り組むとしている。
山口線でのSL列車の運転再開については、津和野観光のシンボル的存在であることから、「かねてより山口県知事をはじめ、運転再開に向けた強いご要望をいただいておりました」とのこと。11月からのSL列車の運行に合わせ、無料の観光アクセスバスで津和野方面への接続を図る予定だ。さらに、新山口~津和野間で中国ジェイアールバスによる直通ノンストップバスも運行予定。津和野行3便・新山口行4便が設定されるという。