一方、高電圧直流(HVDC)については、2011年11月より、実地検証環境として、20フィートコンテナに空調ユニットを備えつけ、内部に6ラック規模のHVDC設備を用意し、最終的な検証として試験・測定を実施。そして、さらなる省エネ、低環境負荷を実現するため、再生可能エネルギーの活用に着目し、2012年5月よりコンテナ上部に太陽光パネルを設置し、HVDC給電システムと太陽光発電の親和性とその効果を検証した(評価が終了し、現在設備は撤去済)。
その後、今年の3月には、NTTデータ先端技術が提供する次世代電源システムである、直流(DC)給電システム「HVDC DC 12V方式」を採用している。
従来のAC方式では、安定した交流電源を確保するために受電設備にUPSを設置しており、UPS内部のバッテリはDC方式で稼働しているため、ここでAC→DC→ACと2度のAC/DC変換が行われる。加えて、サーバ内部の電源ユニットでも再度AC/DC変換が行われるため、合計で3度のAC /DC変換が実行される。これにより、変換ロスが生じ、AC方式での効率は70~80%になるという。
一方、HVDC 12V方式では、ACで受電したものをPSラックでHVDCに変換し、直流のまま一気にサーバまで電力供給を行うため、AC/DC変換は1度だけで、総合的な効率は90%以上となり、従来型に比べ、最大2割の電力使用量を削減できるという。