さくらインターネットは10月8日、2011年11月に開所し、さらに進化を遂げた北海道石狩市の「石狩データセンター」をプレス向けに公開した。
同データセンターは現在2棟で、1,000ラックのサーバ収容能力がある。東京ドームとほぼ同じだという51,448平方メートルの敷地にはあと6棟が増設可能で、その際には最大4,000ラックのサーバが収容できる。
北海道石狩市の「石狩データセンター」。中央の玄関がある事務所棟を挟んで、手前が1号棟で、向こう側が2号棟。現在は1号棟のみの稼動だが、2号棟の設備工事も進んでおり、年内には2号棟の運用も開始される予定だ |
棟の内部はA~Eの5つのゾーンに分かれており、1号棟は半分が自社用、残り半分が他社に場所を貸し出すコロケーションに利用されている。
さくらインターネット 代表取締役社長 田中邦裕氏は、石狩市にデータセンターを開設した理由として、冷涼な気候、札幌から車で約30分という好立地、広大な土地を安価に取得できること、水道、電気、ガスなどのインフラが整備されていること、海底光ケーブルの陸揚げ地になっていること、地震や津波、液状化のリスクが低いことなどを挙げた。
海底光ケーブルの陸揚げ地のメリットについて田中氏は、「データセンターに必要な10Gや100Gの光ファイバーを北海道に引いてほしいといっても、地方にはビジネスが発生しないのでなかなか聞いてもらえない。(大都市向けの光ファイバーの)中継点にこそビジネスが発展する可能性がある」と説明した。
同社は、「日本のITコストを世界標準に」をコンセプトに掲げており、石狩データセンターには、それを実現すべく最先端のテクノロジーを導入している。
同社によれば、石狩データセンターの運用コストは、東京23区内に従来型のデータセンターを作った場合と比較した場合、半分以下になるという。コスト削減に大きな効果を挙げているのは、外気冷却と高電圧直流(HVDC)給電システムだ。