京王電鉄は10日、「京王れーるランド」をリニューアルオープンした。同施設は2000年に多摩動物公園駅横に設置され、当時はNゲージ鉄道模型ジオラマ、プラレール、運転ゲームなどが設置されていた。今回のリニューアルは、今年4月15日をもって京王電鉄の電車・バス開業100周年を迎え、その記念事業のひとつとして実施したという。
「京王れーるランド」では、かつて京王線で活躍した実物の電車5台を屋外に展示するほか、HOゲージ鉄道模型の大ジオラマ、実物の運転台を使った運転シミュレータ、プラレールで遊べる広場など体験型施設を設置した。「多摩動物公園と合わせて子育てファミリーが楽しめる場所にしたい」(京王電鉄)とのことだ。
車両基地で眠っていた名車がずらり
京王の車両基地や研修施設で大切に保管されてきた車両たちに、新たな舞台が与えられた。「京王れーるランド」の車両展示施設では、明るい自然の光が差し込む幕屋根の下、戦後、高度成長時代、そして21世紀までを駆け抜けた5台の車両がずらりと並ぶ。
最古の車両はデハ2400形で、1940(昭和15)年に製造され、1969年まで活躍した名車。その隣は、1961年から1984年まで活躍した2010系デハ2010形。続いて1963年から1996年まで活躍した5000系からクハ5700形。1962年に井の頭線に導入され、2011年に引退した3000系からクハ3700形。1972年から2011年まで京王線で活躍した6000系からデハ6400形。これらの車両のうち、デハ2400形と2010系、5000系は車両内の見学も可能だ。
屋内展示施設は、「鉄道のしくみ "学び・触って・体験できる"」がコンセプト。HOゲージの鉄道模型ジオラマは9m×4mで、聖蹟桜ヶ丘駅周辺や高尾山、多摩動物公園を再現している。車両は京王線・井の頭線の新旧車両のほか、検測車「DAX」も走行する。展示運転のほか、本物の電車のハンドルを使って5人同時に運転できるそう。1回100円。
運転体験コーナーは大型1台・小型3台を用意。乗務員訓練用として実際に使用していたCGシミュレーションソフトを改良し、沿線風景をリアルに映し出す。
大型タイプは本物の6000系(6722号車)車両のカットボディを使用し、もちろん運転台も実物。150インチの大画面で体験できる。難易度は3段階で、気象条件や昼夜など14通りのパターンがあり、運転技術を点数で表示する。小型タイプは子供でも楽しく遊べるように、誰でも定位置にきちんと停止できるしくみだという。
運転士だけではなく、車掌も体験できる。実際に使用していた車両のカットモデルを設置し、ドアの開閉操作や車内放送を楽しめるという。記念撮影コーナーも用意されており、鉄道マンの制服を着て、運転台のセットを使って撮影できるとのことで、良い来場記念になりそうだ。その他、パンタグラフや車輪、モーターなども展示され、パンタグラフはスイッチで上下に動かせる。電車が動くしくみを学ぶコーナーもある。
京王社員の夢とアイデアが詰まった遊び場
2階のコンセプトは「"お子様が安心して遊べる"キッズフロア」。約100平方メートルのプラレールコーナーは、京王線の沿線を再現した展示のほか、カーペットフロアに大量のレールを用意し、大規模レイアウトにもチャレンジできそうだ。電車選びでケンカしないように、同じタイプの京王線と井の頭線を1編成ずつ貸し出すとのこと。
子供の動き回りたい欲求をかなえる「アスれーるチック」は、京王社員のアイデアが盛り込まれた「電車になった気分で遊べるアスレチック」。滑り台に上る足掛けは線路をイメージし、トンネルや鉄橋も再現。トランポリンコーナーの天井付近にある"秘密のボタン"を押すと、駅の案内放送が流れるしくみだ。ハイジャンプに挑戦してみるといいかも。
休憩施設は屋内・屋外にまたがる。屋内は飲み物やお菓子の自販機を設置。屋外は屋外展示車両やライバル(?)の多摩モノレールを眺められる |
1階には京王グッズの販売店が。実際にはない「京王れーるランド駅」の駅名標キーホルダーもある |
「京王れーるランド」は多摩動物公園駅下車すぐ。入場料は250円(3歳以上)。営業時間は9:30~17:30(入場は17:00まで)。定休日は水曜日と年末年始。ただし、水曜日が祝日の場合は営業し、翌日は休業になるとのことだ。