JR九州は、試運転列車に接触痕(擦り傷)が生じた件で文書を発表した。同社の発表によれば、傷が発生したのは9月14~30日。電化区間のカーブ2カ所で、架線を支えるコンクリート電柱などが列車に接触したという。
これを受けて電化区間のカーブ部分すべての電柱を緊急に調査したところ、73カ所で線路脇に建築物を設置できない範囲(建築限界)を超えて電柱などが設置されていると判明した。同社は軌道中心から両側1,900mmを建築限界と定めている。
列車と接触した箇所については、10月2日までに安全な位置への建て替えなどを実施。調査によって判明した73カ所については、精査の結果、すべての箇所で列車と接触するおそれがないことを確認したが、早急に改良を行うとしている。うち1カ所については、すでに10月6日に建築限界の外へ建て替え済みとのこと。今回緊急に調査した箇所以外の電柱や設備についても、早急に調査を実施するとしている。
なお、国土交通省は今月8日に、電化区間で架空線式設備を保有している全国の鉄道事業者に対し、建築限界を超えて軌道の近くに建てられた電柱などがないか確認するよう指導。もしあった場合には早急な措置を講じ、路線別にその数を報告するようにと義務づけている。報告期限は10月31日。