日本国民総"携帯電話"時代。今や持っていない人の方が珍しいが、20年前くらい前は「ないのが当たり前」だった。今回は、マイナビニュース会員の女性400名に、携帯電話がなかった時代に、特に苦労した話を語ってもらった。
Q.携帯電話がなかった時代に、苦労したことといえば?
1位 待ち合わせ 48.8%
2位 友人への連絡 21.8%
3位 緊急連絡 17.5%
4位 好きな人への連絡 14.5%
5位 地図の確認 7.0%
■待ち合わせ
・「集合場所を間違えても連絡が取れなかったので、困ったことがあります」(31歳/小売店/販売職・サービス系)
・「ただひたすら待つしかなかった……で、結局相手は現れずこちらが日時を間違えていた」(30歳/情報・IT/秘書・アシスタント職)
・「会えないときの不安さと言ったら……」(31歳/金融・証券/秘書・アシスタント職)
・「部活で遠出するときにうまく合流できる自信がなく、友達と一緒に行くためにわざわざ遠い駅から乗っていた」(25歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「友達4人で旅行に行くときに、それぞれの駅から出る電車の時間を調べ、車両も決めたが会えなかった……最終的には会えて新幹線には乗れたので良かった」(31歳/アパレル・繊維/事務系専門職)
■友人への連絡
・「友人と出かけるときは、前日に電話で連絡しあっていた」(26歳/生保・損保/その他)
・「待ち合わせに遅れるときには、自宅に伝言を頼むしかない」(31歳/医薬品・化粧品/事務系専門職)
・「友達を誘うとき、親が厳しい子がいて、家の電話にかけるのは気をつかった」(32歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
・「友人と家の電話でやり取りをしていたので、長電話をするとよく親に怒られた」(30歳/学校・教育関連/販売職・サービス系)
■緊急連絡
・「骨折してどうしようもないとき、家族に連絡ができなかった」(25歳/医薬品・化粧品/事務系専門職)
・「修学旅行で迷子になって困った」(30歳/自動車関連/事務系専門職)
・「電車にギリギリで乗ったとき、親に迎えを頼む連絡を入れられなかった」(28歳/学校・教育関連/秘書・アシスタント職)
・「風邪を引いてその日の遊びをキャンセルしたかったけれど、友達が既に家を出てしまっていた」(33歳/学校・教育関連/事務系専門職)
・「家に入れなくなった」(21歳/マスコミ・広告/クリエイティブ職)
■好きな人への連絡
・「お互いの親に会話が筒抜けになるから、話したくてもできなかった……"この時間に電話するから出てね"と言っておかないと、親に出られて面倒くさいし」(31歳/小売店/販売職・サービス系)
・「好きな人の家に電話して彼の親が出た……とか、懐かしい(笑)」(32歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
・「自宅に男子から電話が」(27歳/医療・福祉/専門職)
・「当時恋人に連絡するのは自宅の電話で、ご両親が最初に出たときには緊張したし、長電話すると自分の親に怒られていたから」(28歳/団体・公益法人・官公庁/専門職)
・「休日に好きな男子へバレンタインのチョコを渡すために電話をした際、相手の親が電話に出て気まずい思いをした」(26歳/情報・IT/技術職)
・「中学生のころ、好きな男の子の自宅に電話し、お母さんが出て緊張する中、告白したこと……高校生の頃、初めてつきあった人と親が寝たころに家の電話で長電話したこと、など、親を介してしか会話ができなくて大変だった」(27歳/医薬品・化粧品/事務系専門職)
■地図の確認
・「知らない場所で地図がないと迷う」(30歳/その他/その他)
・「道に迷ったとき、聞く人もいなくて困ったことがある」(26歳/その他/その他)
・「方向音痴なので……反対方向に向かっていることなどがよくある」(24歳/ホテル・旅行・アミューズメント/クリエイティブ職)
・「目的地までどうやって行けばいいか把握するのが大変だった」(25歳/情報・IT/経営・コンサルタント系)
・「夜など、移動先で時刻表やアクセスがわからず、困り果てた経験が」(45歳/その他/その他)
■その他
・「学校の連絡網で、次の人が出なかったらまた次の人に電話して、その人も出なかったらまた次の人に電話をしなければならない……そして、いなかった人にも電話に出るまで連絡をし続けなければならないのが大変だった」(31歳/学校・教育関連/技術職)
・「迎えに来てもらう約束をしたのだが、親が時間を大幅に間違えていて、待ちぼうけをするほかなかったこと」(26歳/マスコミ・広告/秘書・アシスタント職)
・「知らない駅で友人とはぐれて目的地にもたどり着けず、半日を無駄にした」(30歳/人材派遣・人材紹介/その他)
■総評
携帯電話がなかった時代、苦労していたことを思い出してもらった。ランキング1位は「待ち合わせ」。適当に「何時にどこで」と決めておいて、あとは当日近くまで行ったら互いの携帯で連絡し合う、というやり方が難しかった時代には、集合時間にちょっとでも遅れたり、場所がほんのちょっとでもズレていたりすると、「会えなかった」という事態が頻繁に起こっていたよう。
アンケートでも、駅の東口と西口で待っていて会えなかった、とか、5時間待ちぼうけ、なんてエピソードも珍しくなかった。家族でTDLに行ったら、お父さんとはぐれてしまったので、お父さんだけ置いて家に帰ってきた、という何ともいえない思い出を語ってくれた女性もいた。
2位は「友人への連絡」。待ち合わせと似ているが、自宅に伝言を頼むことや、互いの家族を経由させての電話に緊張した、という声が多かった。友人との長電話で親に怒られることも、今ではありえないのかも。3位は「緊急連絡」。突発的な非常事態が起こったときに、連絡がとれないのは、本当にパニックになりそうだ。「骨折したけど家族と連絡がとれず」「修学旅行で迷子になって困った」「車にひかれて友達を待たせっぱなし」など、辛い話もあった。
4位の「好きな人への連絡」には、甘酸っぱさが漂うエピソードが多かった。"イエ電"ゆえに、つき合っている人がいることが家族にはバレるし、会話も筒抜け、相手に取り次いでもらうにも親を介してから……と好きな人との会話を楽しむにも障害が多かった。互いに時間を決めて、親が寝た時間に電話の前に……というのも、今ではほほえましい思い出だろう。
5位の「地図の確認」は、方向音痴が多いと言われがちな女性ならではの答えかもしれない。携帯で地図が見られないと、道に迷ったときにはお手上げになってしまう。かつては携帯版の地図帳だけが頼りだったものだが、便利な世の中になったものだ。
携帯電話が普及していなかった時代は、人と会うために、今よりずっと厳密に時間や場所を決め、遅刻しないように準備し、相手の状況を想像する必要があった。携帯電話は絶対的に便利だが、そのためにどこか気が緩んで適当な行動になっているのかもしれない。たまには「ノー携帯デー」でも作って、苦労を思い出してみるのもいいかも。
調査時期:2013年9月20日~2013年9月22日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:女性400名
調査方法:インターネットログイン式アンケート