国土交通省はこのほど、JR北海道に対し軌道変位(レール幅の広がりなど)が整備基準値を超過した箇所の補修と報告を指示していた件で、すべての箇所について適正な補修などが完了したとする結果を発表した。

JR北海道で整備基準値を超過していたすべての箇所の補修が完了したという(写真はイメージ)

JR北海道では、函館本線大沼駅構内で発生した貨物列車脱線事故を受けて行われた調査で、国鉄時代にレールを設置した区間において、本来は旧基準値を適用するべきであるにもかかわらず、現在の整備基準値(旧基準値より広い値)を適用して判定した例が多数あることが判明。その結果、本来は基準値を超えているのに基準値以内と判定され、補修が行われていなかったことが明らかになっていた。

今回発表された国土交通省の報告によると、JR北海道で整備基準値を超過した箇所は270カ所。線区別では函館本線の78カ所が最も多く、続いて室蘭本線42カ所、宗谷本線38カ所、留萌本線32カ所、江差線28カ所、札沼線20カ所、石北本線17カ所などとなった。

軌道変位の種別ごとの最大測定値は、軌間変位が根室線武佐~別保間本線の28.1mm(整備基準値25mm)。高低変位は函館本線銚子口駅2番線の31mm(整備基準値19mm)。通り変位は室蘭本線幌別駅3番線の62mm(整備基準値17mm)。平面性変位は室蘭本線長万部駅渡り線の23mm(整備基準値18mm)。

整備基準値を超過した箇所については、脱線事故が発生した大沼駅2番線を除き、9月21~25日にかけて適正な補修が行われたとしている。大沼駅2番線については、進入できない措置を講じて使用停止にしたとのこと。