芥川賞にノミネートされたことでも知られる作家・樋口直哉が手掛けた青春小説『大人ドロップ』(2014年4月公開)の映画化が決定し、俳優の池松壮亮、女優の橋本愛らが出演することが6日、明らかになった。
メガホンを取るのは、映画監督、脚本家、演出家、小説家とマルチな才能を発揮する飯塚健氏。主演は、『自分の事ばかりで情けなくなるよ』(2013年10月公開)、『愛の渦』(2014年3月公開)、『ぼくたちの家族』(2014年公開)、『春を背負って』(2014年6月公開)など、多数の出演作の公開を控える注目の若手俳優・池松壮亮。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の好演も記憶に新しい橋本愛をはじめ、小林涼子、前野朋哉といったフレッシュな面々が脇を固める。
池松が演じるのは、高校3年生の浅井由。夏休み直前、親友のハジメ(前野朋哉)から入江杏(橋本愛)とのデートをセッティングするように頼まれるも、そのことが原因で彼女を怒らせてしまう。仲直りができないまま夏休みに入り、さらに彼女が急きょ遠方へ引っ越すことに。一方、女友達のハル(小林涼子)から年上の彼氏との恋愛相談され、周囲が大人になりはじめていることに気づく。その後、杏が学校を辞めた本当の理由を知り、どうしようもない衝動に動かされ、ハジメと共に片道200キロの旅に出る。
主演の池松は、「思いを寄せる同級生に好きって言えない気持ち、友達との夏の思い出、子どもと大人の間を行き来する心、たくさんの感情がつまった作品」と語り、「学生の方には、今過ごしている時間の大切さに気づいてもらえたり、また、学校を卒業し社会人になっている方には、あの頃の夏の記憶を思い起こし、心が温かい気持ちになっていただけたらうれしいです」と同作に込めた思いを伝えた。
一方、ヒロイン役の橋本愛は、「映画出演がしばらくぶりだったため、久しぶりに現場に参加したいという思いが強くありました」と振り返り、「そんな中、池松さんや前野さん、小林涼子ちゃんなどすてきな共演者の名前を聞き、ぜひご一緒したいと思い、出演を希望しました」とコメント。「青春の"キラキラ"の中にいる人、"キラキラ"からはみ出た人、"キラキラ"にわざと飛び込む人」と挙げ、「ご覧になった方が、『あの頃』を思い出して、赤面してもらえたらいいな、と思いました」と語った。