舞台『ロスト・イン・ヨンカーズ』の記者会見及び公開稽古が4日、東京・渋谷区のパルコ劇場で行われ、キャストの中谷美紀、TOKIOの松岡昌宏、草笛光子、小林隆、長野里美、浅利陽介、入江甚儀と演出の三谷幸喜が出席した。

前列左から、演出の三谷幸喜、中谷美紀、草笛光子、後列左から、小林隆、長野里美、浅利陽介

ピューリッツアー賞に輝いたニール・サイモンの作品を三谷が演出した同舞台は、2人の少年の目を通して描く家族の物語。決して笑わない祖母のミセス・カーニッツ(草笛)の家に預けられることになったジェイ(浅利)と弟のアーティ(入江)。少々おつむが弱い叔母のベラ(中谷)、チンピラの叔父・ルイ(松岡)らカーニッツ家の面々は、厳格な母に育てられて心の傷を負いながらも、懸命に自分たちの人生を築こうとする――というストーリーで、舞台は同劇場で11月3日まで公演予定。

三谷は「僕の介入は少ないけど、稽古を見ていて『僕はすごい作品を作ってるぞ!』という錯覚を起こした」と胸を張り、学生時代に同劇場で鑑賞して刺激を受けたというニール・サイモンの『おかしな二人』を振り返り、「あそこの席で見たんです!」と感慨深げ。また、女性としての幸せをつかもうと奮闘するベラ役の中谷は「カーニッツ家の台風の目でもあり、緩衝材でもある存在。素晴らしい家族に恵まれて、今まで稽古をしてきました」と笑顔を見せ、1992年の日本初演でもミセス・カーニッツを演じた草笛は、「三谷演出の新しいおばあちゃんをやるつもり」と意気込むも、「子どもたちが私の悪口ばかり言ってて、何と辛いことか……」と憎まれ役に苦笑いしていた。

一方、松岡が「ずっと三谷さんに興味があったのでうれしかった。自分たちが意識しないところをフワッと演出なさるのが心地良い」と初体験の三谷演出について語ると、三谷は「チャラチャラしてるかと思ってたけど、ちゃんと深く台本を読んでいて驚いた」と松岡の印象を吐露。また、一昨年に舞台デビューした中谷は、同作で舞台2作目となるが、「37歳の新人です。お金を頂きながら、三谷さんにお勉強をさせて頂いて申し訳ない」と恐縮すると、三谷は「会話の中で"~かつ、~"を使う人に初めて会いました」と語り、続けて「稽古場ではたくさんボケてらっしゃいます。僕の前を大あくびしながら通り過ぎたり、ずっと寝ていたり。自分のリビングにいるような感じ」と暴露すると、中谷は顔を手で覆って赤面していた。