CEATEC JAPAN 2013では、PC関連の周辺機器や、新しい技術も多く展示される。ここでは、近接無線通信の「TransferJet」、ワイヤレス使えるBDドライブ、次世代の動画圧縮技術について、まとめてお伝えしよう。

PCとスマホでTransferJetの普及を目指す

近接(1cm~3cm)の高速転送(現時点の物理層650Mbps)で知られているTransferJetだが、今年はTransferJetコンソーシアムとしての出展に加え、東芝が自社ブース内でも展示と、力を入れていた。

新製品として、小型のUSB/MicroUSBのアダプタを「2,000円~3,000円程度で」12月に発売する予定だ(その後はSDメモリーカード一体型の発売を予定)。説明員いわく「Wi-Fiに関心が集まっているが、近距離でしか転送しない安心感と高速転送力を見てほしい」ということだ。

また「近接三兄弟」と称して、電源供給のqi、決済手段のNFC、そしてTransferJetを組み合わせたコンテンツ決済キオスクのデモを行っていた。駅や空港に設置し、充電しつつ好みのコンテンツを購入、移動中に観賞するような利用を想定する。

こちらは東芝ブースでの説明。かなり前からある規格だが、ようやくエンジンかかってきたという感じか

ターゲットになるのはスマートフォンやデジタルカメラ。そして家のPCや各種キオスクといったところ

ノートPCに差したリーダーライター。やや突き出し気味に見えるが、近接通信をを考えると、この程度の大きさが必要なのだろう

12月発売を予定しているのはUSB版とMircoUSB版。今は製造中で価格を聞いたところ、2,000円~3,000円あたりということだ

コンテンツ販売を想定したデモ(写真左)。NFCによる非接触決済も含めることで、課金も無理なく行えるようになるハズ。写真右はTransferJetコンソーシアムでの展示

東芝と同様に利用シーンデモを行っていた(写真左)。台に乗せるだけで、NFCによる認証とTransferJetによる転送、さらにqiでの充電を想定したホームネットワークへの応用イメージ(写真右)

USBアダプタは、周辺機器ベンダーのサンワサプライからも予定されている(10月下旬)

東芝は現在、チップとMicroSDIO(SDインタフェースを使った入出力規格)を量産中で、次にコンシューマー向けのUSBアダプタが登場する

USB転送のワイヤレス仮想化を利用するパイオニア

パイオニアブースでは、無線LAN(Wi-Fi)を通して仮想USB接続を行うポータブルBDドライブ「BDR-WFS05J」と、それに関連した展示が興味深かった。

高速USB仮想化技術は、PC側に専用ユーティリティをインストールすることで、Wi-Fiなどの無線を通じてUSB機器を接続できるもの。理論値300MbpsのIEEE802.11nを使えば、実行転送速度で70Mbps程度が確保できるという。

製品はBDドライブとドックで構成され、ドック部分にWi-Fiアクセスポイントが入っている。これを介しての接続となるが、BDドライブを除いたドックだけのデモも行われていた。

参考展示されていたのは、USBアクティブスピーカーだ。ドックとUSBスピーカーがPCとワイヤレスで接続されていながら、高音質再生が行えるというもの。無圧縮で音声データを転送するため、高い品質のままコードレス化を実現でき、PCだけでなく他のポータブル機器との連携も想定している。

これがワイヤレスポータブルBDドライブ「BDR-WFS05J」。PCの場合は普通にUSB接続すればよいが、スマートフォンからの利用を考えるとこのような接続形態になる

BDとして利用するためには、理論値300Mbpsの5GHz帯IEEE802.11nかつ、ドック部分をアクセスポイントモードとして接続

将来的にはドックユニット単体での発売も

USBスピーカーを接続することで、よくあるBluetoothスピーカーと異なり「非圧縮での原音転送」が可能になるという

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